2016年1月号掲載

「名目GDPって何?」という人のための経済指標の教科書

経済・経済学
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著者紹介

概要

「経済指標」は、景気やビジネスの将来を見通す上で大いに役立つ。とは言え、その数は膨大で、全て把握するのは難しい。そこで、長年指標を見続ける経営コンサルタントが、国内総生産(GDP)、消費者物価指数、鉱工業指数など、ビジネスパーソンが最低限知っておきたい経済指標を厳選。それぞれの読み方を丁寧に説明する。

要約

「アベノミクス」の3年間を数字で検証

 安倍晋三政権が掲げる経済政策「アベノミクス」は、2012年12月の開始からまもなく3年を迎えようとしている。

 では、この3年で日本経済は良くなったのか。様々な経済指標を使って、アベノミクスが日本経済にどんな影響を与えたのかを検証しよう。

景気後退を指標で確認する

 まず、「国内総生産(GDP)」は、2014年度、「名目」で約490兆円、成長率は1.6%。名目GDPとは、実額の付加価値の合計である。

 一方、「実質」は約526兆円だが、この金額自体はあまり重要ではない。なぜなら、2005年の貨幣価値で名目GDP値を計算し直した数値であるため、基準年が変わると数値が変わるからだ。

 実質GDPを見る時に重要なのは、成長率だ。実質は、インフレ、デフレを調整した数値で、「実質的に」国民がどれだけ豊かになったかを表わす。

 その実質の成長率は、2014年度はマイナス0.9%。日本経済は後退したということだ。

 なぜ、日本の景気は悪くなってしまったのか。

 「現金給与総額」(基本給や残業代、賞与などをすべて足した1人あたりの総額)の前年比を見ると、2014年度は0.5%と久しぶりに反転した。ところが、それ以上に物価が上がったため、景気は後退したのだ。

 「消費者物価指数」を見ると、2014年度は消費税増税の影響が大きく、前年比2.8%増。2.8%物価が上がったのに、給与は0.5%しか増えていないのだから、消費が増えるはずがない。

 それを証明しているのが「家計消費支出(2人以上世帯)」という大事な指標だ。2014年度は前年比マイナス5.1%。名目GDPの6割弱を支える家計の支出が前年に比べて5%以上落ち込んだわけだから、景気が悪化したのもうなずける。

株価は日本企業の実力を反映していない

 アベノミクスによって、確かに株価は上がったが、それは日本企業の実力を反映しているのか。これも数字で確認しておこう。

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