2015年8月号掲載

ユダヤ式Why思考法 世界基準の考える力がつく34のトレーニング

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著者紹介

概要

Google創立者のラリー・ペイジ、Facebookのマーク・ザッカーバーグをはじめ、世界的に活躍するユダヤ人は多い。また、ノーベル賞受賞者の3~4割がユダヤ人であるなど、彼らの知的生産力は高い。それは、「なぜ?」を徹底的に考える民族だから。何事にも疑問を抱き、別次元から物事を見ることで、常識に縛られず自由に発想する。そんな彼らの思考法を説く。

要約

ユダヤ人が優れた思考力をもつ理由

 金融業界、ハリウッド業界はいうに及ばず、最近のIT業界でも世界の名だたる企業の創立者は半分以上がユダヤ人である。また、ノーベル賞受賞者の3~4割はユダヤ人が占めている。

 なぜ、ユダヤ人の知的生産力は群を抜いているのか。それは、ユダヤ人が「議論をして考える民族」だからだ。「なぜ?」「Why?」を徹底的に考えつくす民族だからである。

「なぜ?」と問いかけることから始まる

 何事にも疑問をもち、「なぜ?」と問いかける。普段はやり過ごしていることにも意識を向け、「なぜか?」と考えることで思考力は鍛えられる。

 例えば、ユダヤの家庭では、3歳くらいの子どもに母親がよく次のような質問をする。

 「風は見えないし、形も色も匂いもない。それなのにどうして感じることができるの?」

 もちろん、この問いに正解はなく、母親は子どもに化学・物理学の知識を駆使した議論を期待しているわけでもない。1人1人が違う発想で考え、議論する力を育むためのトレーニングなのである。

 世界のどの民族でも、親は子どもの知的好奇心を広げようと、様々な工夫を凝らしてきたが、中でもユダヤ人の親は特に熱心だ。子どもへの問いかけを積極的に促している。

 ユダヤから素晴らしい学問的業績をあげる人や画期的なアイデアを実現する人が多く輩出されるのは、何事にも疑問を抱き問いかける姿勢と、それによって生まれる議論好きの態度にある。

神にまで反論するユダヤ人

 ある日、エジプトから逃れていたモーゼの前に突然神が現れ、こういった。「お前がエジプトに行って、ユダヤ人全員を救い出してこい」。

 これに対し、モーゼは「それは無理です」と反論する。「名もない私が行って、ユダヤ人に向かって救出に来たといっても誰も信用しません」。こうした議論が、神とモーゼの間で7日間も続く。

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