2015年6月号掲載

面と向かっては聞きにくいイスラム教徒への99の大疑問

国際・世界情勢文化・思想・歴史
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著者紹介

概要

IS(イスラム国)のテロ事件などで、イスラム教は恐いと思う人もいるかもしれない。しかし、信者の大半は普通の人々。そんな彼らの価値観、生活を、アラブ・イスラム圏研究の第一人者が紹介した。コーランならではの教えとは。なぜ厳しい戒律に縛られる生活ができるのか。「アラブ」と「中東」の違いとは…。イスラム教徒に関する素朴な疑問の数々に答える。

要約

イスラム教の世界とは

 私は19歳の時にイスラム教・スンニ派の一員となり、以来50年が過ぎようとしている。その間に知り合ったイスラム教徒たちは総じて紳士的であり、ホスピタリティあふれる人々だった。

 最近ではIS(イスラム国)などが表舞台に立ち、おどろおどろしたイスラム教のイメージを世界中に流布している。しかし、こうした組織は決してイスラム教徒を代表しているわけではない。

 イスラム教は慈悲と慈愛、寛容を説く宗教だ。そんなイスラム教とイスラム教徒の実像とはどのようなものか、見ていこう。

イスラム教徒はどうして戦争を繰り返すのか?

 通常、AとBという地域同士で何らかの問題が発生すると、お互いが冷静に話し合って問題を解決しようとする。そこには当然、相手に対する妥協がある。お互いが妥協をすることによって、問題解決のための着地点を見いだすことになる。

 ところがイスラム教には、その妥協という概念がない。なぜなら、イスラム教は「神の教え」ではなく、「神の命令」に他ならないからだ。

 それも曖昧なものではなく、「こうしなさい」「これをやってはいけない」と具体的に命令が下されている。コーランにはこうした神の命令と罰が明確に記されているがゆえに、人間と人間が神の教えを曲げて妥協することができない。だからどうしても戦争が起きてしまうのである。

 裏腹なようだが、イスラム教は一方で慈悲と慈愛を説き、その一方では神の命令に背く者に対しては戦争も厭わない宗教なのである。

イスラム圏で頻発している戦争の原因は何か?

 紛争の種は各種あるが、その裏には地下資源の争奪戦という要因が絡んでいるのは確かである。

 例えば、イスラエル対アラブ諸国の戦争も、宗教間の対立という構図はあるが、一方では石油に絡んだ利権を巡る争いだという見方ができる。

 また、イランとアラブ首長国連邦の領土問題も、事情は同じ。大小トンブ島とアブー・ムーサ島というペルシャ湾の島を巡る領有権の争いに見えて、実はそれらの島の周辺に海底資源が眠っているという事実が大きな原因となっている。

中東地区の紛争の原因を読み解くカギは?

 中東での紛争の原因を読み解くに当たって注視すべきは、アメリカの動きだ。

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