今治タオル 奇跡の復活

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著者紹介

概要

今や全国的に知られるブランド、今治タオル。だが、かつては輸入品に押され、生産数量が激減、存亡の危機にあった。それを乗り越え、復活するカギとなったのが、著者・佐藤可士和氏の主導の下で行われたブランド戦略だ。その詳細を解説。本質的価値の見極め、ロゴマークの扱い…。復活への歩みは、衰退した産地・企業が再生する上で、良きヒントとなるだろう。

要約

今治タオルのブランド戦略

 今から約90年前、愛媛県今治市は活気に満ちた一大織物産地だった。だが、1980年代後半から輸入品が激増し、日本のタオル産業は苦境に立たされる。今治タオルも、1991年をピークに18年連続でマイナス成長となり、生産数量は5分の1にまで落ち込んだ。

 そんな今治タオルが復活した。“奇跡”と言っても過言ではない。今治タオルが復活するために、何が必要だったのか? 何が変わったのか? そのプロセスには、衰退した産地や企業が再生するための手掛かりを見いだすことができる ―― 。

「本質的価値」を見極める

 僕が今治タオルのブランディングを引き受けたのは、2006年のこと。当時、今治のタオル製造業者でつくる四国タオル工業組合には、「もうダメだ」という悲壮感さえ漂っていた。

 仕事を引き受けた時、僕が最初に必ずやるのは、クライアントへの問診を重ねること。抱えている問題を明らかにすると同時に、まだ表に出していない熱い思いや本心を引き出していく。

 そして、クライアントの思いを具現化し、世の中にきちんと伝え、社会の中でより良いポジションを獲得するための方法を考え、実践していくのがブランディングという作業になる。

 端的に言うなら、「本質的価値 × 戦略的イメージコントロール = ブランディング」だ。

 本質的価値を他所から持ってくることは、絶対にできない。クライアントが持っている長所や個性の中から探し当てなければならないが、これが簡単なことではない。なぜなら、クライアント自身が本質的価値に気づいていない場合が多いからだ。今治タオルも、まさにそうだった。

 今治タオルのブランディングのキーファクターは「安心・安全・高品質」だった。今治ではもともとクオリティの高いタオルを生産していたが、廉価な輸入品の台頭で競争を強いられた組合の人たちは、その本質的価値を見失っていた。

 安い輸入タオルの方が売れるという市場の動向に翻弄され、「高い=売れない=価値がない」という認識が根付いてしまっていたといえる。

 しかし、食の分野では、輸入品の安全性の問題が以前から指摘され、農薬や添加物に対する厳しい目を日本の消費者は持っている。工業製品や衣料品に関しても、「安心・安全・高品質」なものを求める傾向は高い。そのフィールドで、今治タオルの価値を再構築できるはずだと考えた。

「戦略的イメージコントロール」の手掛かり

 「安心・安全・高品質」を今治タオルの本質的価値に設定するのは、難しくはない。問題は、その先。本質的価値をどう伝えるか。それが「戦略的イメージコントロール」という作業になる。

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