2013年8月号掲載

日本企業は何で食っていくのか

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著者紹介

概要

バブルが崩壊し日本の90年代が始まった時、「第2の敗戦」といわれた。それにならえば、リーマンショック、東日本大震災、欧州金融危機に襲われた近年の日本経済は「第3の敗戦」。こう評する著者が、この危機を乗り越えるため、日本の産業構造はどう変わるべきかを考察した。「電力生産性」「ピザ型グローバリゼーション」等、企業が挑むべき突破口が示される。

要約

第3の敗戦

 歴史は動いている。そして、その動きの中で歴史は時々、大きな転換点を迎える。

 1991年にバブルが崩壊して「失われた10年」と呼ばれた日本の90年代が始まった時、「第2の敗戦」という言葉が人々の間でささやかれた。

 それにならえば、2008年のリーマンショック、11年の東日本大震災、そして欧州金融危機と、3つの大事件が続いた11年前後の日本経済は、「第3の敗戦」と呼ぶべき状態だと思う。

 エレクトロニクス産業の総崩れは、まさに戦に敗れた日本の産業の姿である。東日本大震災の津波が残した瓦礫の山は、空襲で焼き尽くされた第2次世界大戦直後の日本の町の姿に重なる。

 その上に、電力危機である。震災直後には東京電力管内では計画停電もあった。それは、戦後、停電が頻繁にあった頃を思わせた。

 実は、40年前、日本は2011年の第3の敗戦と類似の巨大な危機に襲われたことがあった。

 1971年8月、米国のニクソン大統領がドルと金の兌換を停止すると突然発表した。「ニクソンショック」と呼ばれる国際金融危機と、大きな景気後退の始まりであった。

 その2年後の73年、中東戦争をきっかけとするオイルショックが世界を襲い、原油価格が一気に4倍、5倍に跳ね上がった。

 しかしこの40年前の危機の際、日本の産業は見事な離れ業を見せて、世界を驚かせた。エネルギー消費を減らしながら経済成長を続けるという離れ業をやってのけたのである。

 それから40年。再び、エネルギーと国際金融の大きな地殻変動が、ほとんど同時に起きた。

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