中国台頭の終焉

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著者紹介

概要

高成長が続く中国はいずれGDP(国内総生産)で米国を抜く、との見方がある。しかし、「いまのままでは遠からず成長が失速し、深刻な停滞を迎える」と、中国の経済・ビジネス事情に詳しい著者は指摘。これまでの莫大なインフラ投資の副作用、効率の悪い国有企業、少子高齢化など、中国経済が抱える問題を詳細に分析し、世界第2の経済大国の真実の姿を示す。

要約

「4兆元投資」の後遺症(短期問題)

 中国は、あと10年もすればGDP(国内総生産)で米国を抜き、世界一の経済大国になる、といわれる。

 だが、中国経済が8~10%といった高成長を続けられる時代はすでに過ぎた。今は潜在成長率が5%前後の「中成長時代」に入ったというべきだ。

 しかも、問題は、5%ですら達成される保証はないことだ。なぜなら中国は、短期、中期、長期と大きな問題を抱えているからである。

4兆元投資発動の顚末

 2008年9月に起きたリーマン・ショック。この大異変を前に、中国政府は「4兆元投資」(当時のレートで約57兆円)という途方もない規模の経済刺激策を発動した。

 この4兆元投資政策は劇的な効果を発揮した。09年、先進国経済が苦しむ中で、ひとり中国が回復を遂げたのだ。

 しかしここに来て、副作用も甚大なことが明らかになってきた。11年には毎期9%台(対前年比、以下同じ)の増加を示していた四半期別GDPが、12年に入ってからは期を追うごとに8.1%、7.9%、7.4%と低下したのである。

 だが、実際に起きた景気減速はその程度ではとても済まないだろう。中国のGDP統計は当てにならないことで定評がある。12年の夏頃、真実のGDPは瞬間風速で5%さえ割り込んでいたと思う。

中国経済急減速の原因

 この景気急減速の主因は、過去数年間、経済を牽引した投資が失速したことである。

 4兆元投資は政府によるインフラ中心の投資拡大策だったが、道路や鉄道などの交通インフラの建設は大きな不動産投資を誘発・牽引した。また、鉄やセメントなどの素材産業にも影響を及ぼした。

 要するに、4兆元投資とこれに伴う空前の金融緩和が、インフラから不動産、製造業まで爆発的な投資ブームを巻き起こしたのだ。

 2011年についてみれば、GDP9.2%成長のうち5.0%分は投資が牽引したとされている。

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