2009年7月号掲載

ボルドー・バブル崩壊

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著者紹介

概要

ボルドーワイン。今や世界標準のブランド品、そして投機商品であるこの液体も、例外ではなかった。2008年のリーマンショックで、05年から続いていた価格の高騰、「ワイン・バブル」は弾けた ―― 。本書は、そんな投機性の強い、今のボルドーワイン産業の実態を明かすもの。「プリムール」と呼ばれるワインの先物取引の仕組みをはじめ、その独特の世界を解説する。

要約

ワイン・バブルの発生と崩壊

 ボルドーワインは農産物だが、世界標準のブランド品でもある。独自の市場を通じ、世界160カ国に輸出されている。

 今日、一流の「シャトー」(ブドウ畑の付属したワイン生産施設)のワイン生産はグローバルなブランドビジネスであり、1990年代以降、富の拡大とともに、ボルドーの高級ワインの市場が広がった。

 そして、これに目をつけたワイン投資ファンドが、投機目的で購入したことでバブル ――「ボルドー・バブル」が発生することとなった。

「先物買い」が投機性を高める

 ボルドーワイン産業を読み解くカギは、「プリムール」にある。

 これは、ワインを先物取引する独特の仕組みで、ブドウを収穫した翌年の春に、シャトーが樽で熟成中のワインを売り出す、というものだ。着工する前のマンションを買う感覚に近い。

 取引に関わる人々は、このシステムに乗って利益を得ている。生産する側のシャトーも、ワインを外国の輸入業者などに卸売りする「ネゴシアン」(酒商)も、買う側のワイン商や輸入業者も、損をしない仕組みができ上がっている。

 ブドウは一般的に、9~10月に収穫される。それを発酵させてできたワインを、樽やタンクで熟成させて瓶詰めする。市場に出るのは早くて翌春。ブドウを摘んでも、半年間は現金が入らない。

 だが、ワインの生産には経費がかかる。畑にまく薬剤、熟成用の樽、収穫人への賃金…。日々、お金が出ていく。

 プリムールの強みは、このキャッシュフローの問題から逃れられる点にある。シャトーは熟成中のワインを売ることで、現金を確保できるのだ。

 このプリムール商戦はカーニバルだ。

 収穫から半年ほど経た翌年3月、熟成中の樽から抜いたワインの試飲会が開かれる。世界中から数千人のバイヤーやジャーナリストがボルドーに集まり、ネゴシアンとシャトーは、秘蔵のヴィンテージと料理で、各国の重要なバイヤーやジャーナリストをもてなす。

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