2007年4月号掲載

「人望力」の条件 歴史人物に学ぶ「なぜ、人がついていくか」

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著者紹介

概要

人望のある人の周りには、自然と人が集まってくる。そして、その人のために、と皆、誠意を持って働く。どうすれば、そうなれるのか。加藤清正は人使いの名人として人望があった。豊臣秀吉は斬新な経済感覚で人を惹きつけた。吉田松陰の先見力に人々は魅了された…。数々の歴史上の人物を例に挙げながら、童門冬二氏が、人望力の要諦を解き明かす。

要約

なぜ、人がついていくか

 日本式リーダーシップの基本は「人が決め手」である。この基本は、いつの時代も変わらない。

 その“人”は、「知」と「情」の存在だ。それがリーダーシップを支える。

 「何をやるのか、何のためにやるのか」という知的な動機だけでは、人は動かない。

 「誰のためにやるのか」という情的動機は、日本だけでなく世界中で生きている。

 この“誰のために”という情念は、言い換えれば、「あの人の言うことなら、あの人のためなら」という“なら”につながっていく。この“なら”の気持ちを持たせるのが「人望」であり、その力、「人望力」の要諦は、次の5つに分類できる。

①人間通

 人間通とは、人間というものをよく知っていること。人間に通じていればこそ、相手に応じて人を見極められる。人を見極めてこそ、どうすれば相手が動くかがわかる。本当に自分のために働いてくれる人がいてこそ、人望力は生きるのだ。

怒らずに叱る

 上の立場に立って難しいのは、「叱る」と「怒る」の差をどうつけるかである。

 では、この2つは、どう違うのか?

 相手は、叱られた時も怒られた時もそれなりに感じ取る。だから、事後の態度が違う。前者では善意が生まれ、後者では悪意が生まれる。

 部下は「自分にもどこか欠陥があるはずだ」という不安感を常に持っている。そういう時に、「これを直せばもっといい能力が発揮できる」というような、言わば“呼び水”のような叱り方をすれば、感謝されるはずである。

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