2006年12月号掲載

データの罠 世論はこうしてつくられる

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著者紹介

概要

内閣支持率、経済波及効果、視聴率、各種の平均値やランキング ── 。こうした統計データは頻繁にマスコミで発表されているが、それは信頼できるものなのか。実は、中には意図的に世論を誘導しようとするものなど、かなり危ういものがあるという。本書では、そうした“データの罠”を見抜き、それらに振り回されないための正しい情報の読み取り方を提案する。

要約

巷に氾濫する危ういデータ

 巷にデータが溢れている。我々が何らかのデータに触れない日は、まずないといってよいだろう。

 「小泉首相の支持率が45%にダウン」「がんの3割はたばこが原因」…。

 こうした数値は、客観的なものであると思いがちだ。だが実際には、都合のいいデータを使って客観性を装い、自分の考えや特定の政策へ導こうとしているものが少なからず存在する。

 こうしたデータが巷に氾濫すれば、世論はあらぬ方向に進んでしまいかねない。1人1人が、データを見る眼を養うことが大切である。

やむを得ないは止むを得ない?

 『読売新聞』の世論調査では、1997年に消費税率が上がった時、次のように質問した。

 「4月1日、消費税の税率が3%から5%に引き上げられました。高齢化が急速に進む中で、いま消費税の引き上げを行わないと、財政状態がさらに悪化して、次の世代の負担が重くなったり、福祉の財源が不足するなどの影響が出ると言われています。あなたは、今回の消費税の引き上げを、当然だと思いますか、やむを得ないと思いますか、それとも、納得できないと思いますか」

 この例は、大新聞でも時にミスを犯してしまう、危うい世論調査の実態を示すものである。

 まず、傍線の部分は、明らかに税率アップを容認する回答へ誘導するために加えたとしか考えられない。

 実際、この調査結果では、「当然だ」が5.4%、「やむを得ない」が50.7%となり、新聞の一面には「消費税上げ56%が容認」の見出しが踊った。

 新聞社は、これまでの政治が、選挙結果を気にするあまり、受益に見合った負担を有権者に求めてこなかったことをわかっているからこそ、税については条件をつけた曖昧な選択肢でしか世論調査を行えないと考えたのだろう。

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