2025.9.10

“トランプ現象”を理解する補助線

“トランプ現象”を理解する補助線
米トランプ大統領の再登板により、世界は再び混乱の渦に巻き込まれました。
MAGA(アメリカを再び偉大な国にする)を掲げる関税政策はグローバル経済に混乱や縮小を招き、厳格な移民政策は国内の労働市場に影響を与えています。
このような“トランプ現象”を理解するには、アメリカで台頭する新右翼や強権的指導者の政治手法、西洋近代の歴史的背景、白人至上主義等の知識が助けとなるでしょう。
そこで今回は、思想・政治・歴史・文化の各領域から、トランプ現象を読み解く補助線となる7冊を厳選しました。
これらの書籍が、日々流れてくるニュースを理解する一助になれば幸いです。

2025年9月号掲載

アメリカの新右翼 トランプを生み出した思想家たち

今、アメリカで「新右翼」が頭をもたげつつある。従来の右派以上に、ナショナリズム、キリスト教的価値を重んじ、テクノロジーを積極的に受け入れる人たちだ。リベラルな価値観を批判する彼らは、社会をどう変えようとしているのか。アメリカ政治思想史の専門家が、トランプ政権の下、様変わりする右派の現状を読み解く。

著 者:井上弘貴 出版社:新潮社(新潮選書) 発行日:2025年6月
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2025年7月号掲載

カウンターエリート

今の体制に対立して、政府や官僚、マスコミなどを「既得権益化したエリート」だと批判する。こうした“カウンターエリート”が、今、世界中で支持を集めている。なぜか? 彼らが台頭した背景、世界観とは? シリコンバレーの大物投資家、米副大統領の思想に影響を与えたブロガーなどの声を基に、その思想を読み解く。

著 者:石田 健 出版社:文藝春秋(文春新書) 発行日:2025年4月
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2025年6月号掲載

西洋近代の罪 自由・平等・民主主義はこのまま敗北するのか

今、民主主義を押しのけ、排他的な権威主義が力を増している。アメリカで、ロシアで、西側諸国で。この現象の意味を、民主主義と資本主義の関係に着目して、分析した。ヨーロッパにおける右派勢力の躍進、トランプ大統領の再選と支持者の傾向など、個々の出来事を解釈しつつ、現在の政治的・経済的な状況を明らかにする。

著 者:大澤真幸 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 発行日:2025年4月
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2022年10月号掲載

強権的指導者の時代 民主主義を脅かす世界の新潮流

ナショナリズムをあおり、個人崇拝を奨励し、国家機関を軽んじる。近年、世界各地で「強権的指導者」が台頭している。プーチン、習近平、トランプ…。彼らの政治スタイルは民主主義を脅かす。こうした新しい潮流はいつ頃、定着したのか? その背景には何があるのか? 世界秩序を壊しかねない、強権的指導者の正体に迫る。

著 者:ギデオン・ラックマン、村井浩紀(監訳) 出版社:日経BP・日本経済新聞出版 発行日:2022年8月
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2025年4月号掲載

なぜ悪人が上に立つのか 人間社会の不都合な権力構造

平気で嘘をつく、人を騙す、違法行為を繰り返す…。私たちは、そんな“悪人”をリーダーに選びがちだ。なぜそうなるのか? 権力は人をどのように変えるのか? 気鋭の国際政治学者が、進化論や人類学、心理学の研究結果を読み解き、これらの疑問について考察。権力が腐敗する要因を、様々な事例とともに提示する。

著 者:ブライアン・クラース 出版社:東洋経済新報社 発行日:2024年11月
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2020年8月号掲載

白人ナショナリズム アメリカを揺るがす「文化的反動」

トランプ政権誕生後の米国、そして近年、欧州各地で目に付くのが「白人ナショナリズム」だ。自国第一主義、白人中心の社会秩序の維持、反移民などを訴え、勢力を伸ばしつつある。その論理、心理はどのようなものか。今後どうなるのか。社会の分断を深め、リベラルな国際秩序を揺るがす、この文化的反動の動向を考察する。

著 者:渡辺 靖 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2020年5月
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2019年11月号掲載

ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か

トランプ米大統領の自国第一主義、ジョンソン英首相が進めるEU離脱…。近年、世界ではポピュリズム政党・政治家の台頭が著しい。“人気取り政治”といわれ、民主主義に害を及ぼすと見られがちな「ポピュリズム」。本書は、この政治運動・思想を理論的に位置づけた上で、成立の背景、欧州での広がりを分析、その姿を明らかにする。

著 者:水島治郎 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2016年12月
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