2023.11.10

異なる信仰の架け橋 ~宗教への理解を深める

異なる信仰の架け橋 ~宗教への理解を深める
10月7日、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスが突如、イスラエルを攻撃しました。イスラエル側はこれに空爆で応酬。両陣営で多数の犠牲者が出ています。
世界の歴史をひもとけば、異なる宗教・宗派間の戦争は繰り返し起きています。一方、日本では特定の信仰を持たない人が珍しくありません。そのため、ハマス、イスラエル双方の主張や、宗教の教えを拠り所とする人々の心情を理解できる人は、多くはないのではないでしょうか。
そこで今回の特集では、宗教、特にキリスト教・イスラム教・ユダヤ教について説いた5冊の良書をご紹介します。
宗教に関する基本的な知識は、グローバルで活躍する上でも欠くことができないもの。各書の内容が、宗教への理解を深める上でお役に立てば幸いです。

2022年11月号掲載

【新装版】日本人のための宗教原論 あなたを宗教はどう助けてくれるのか

カルト教団に酷い目に遭わされたり、最悪、殺されたり…。こうした事態を招くのも、日本人が宗教を知らないから、と語る著者が、日本人が知っておくべき宗教の「根本原理」を説いた。オウム真理教などの問題がクローズアップされた2000年に刊行され、読み継がれてきた書の新装版。知の巨人・小室直樹氏ならではの解説書だ。

著 者:小室直樹 出版社:徳間書店 発行日:2021年12月

2015年2月号掲載

教養としての宗教入門 基礎から学べる信仰と文化

書名通り、「教養としての宗教」ガイドだ。「物事の理解には、深さもさることながら、広さも大切である」。こう語る宗教研究者が、外国人と接する際、知っておきたい世界の主な宗教を、マクロな視点から“浅く広く”紹介。「神」と「仏」は何が違うのか、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の共通点など、宗教全般の歴史や世界観について、わかりやすく説く。

著 者:中村圭志 出版社:中央公論新社(中公新書) 発行日:2014年11月

2023年6月号掲載

聖書がわかれば世界が見える

世界三大宗教の1つ、キリスト教。世界人口の約3割を占めるとされる信徒の動向は、国際情勢に与える影響も大きい。世界を理解する上で、知っておきたいこの宗教について、池上彰氏がわかりやすく説く。世界宗教への発展の契機となった「宗教改革」、イスラム教徒らを虐殺した「十字軍」など、その光と闇の歴史が語られる。

著 者:池上 彰 出版社:SBクリエイティブ(SB新書) 発行日:2022年10月

2020年6月号掲載

イスラーム文化 その根柢にあるもの

イスラーム研究の世界的権威が、「イスラーム文化の根柢にあるもの」と題して行った講演を基に、この文化の源泉を解き明かす。いわく、イスラームは商売人の宗教である、すべての善悪は神の意志によって決まる…。誰の目にも映る表面的な姿ではなく、奥深いところにある本質、精神というべきものに迫った啓蒙書。

著 者:井筒俊彦 出版社:岩波書店(岩波文庫) 発行日:1991年6月

2010年1月号掲載

日本人の知らないユダヤ人

国際弁護士として活躍する著者は、60歳の時にユダヤ教に改宗し、“ユダヤ人”となる。そのためには、3年に及ぶ学習や試験、割礼などの厳しい試練を乗り越えねばならなかった。本書では、そうした改宗の経緯とともに、ユダヤ教やヘブライ聖書(旧約聖書)とユダヤ人との関係、戒律に込められた意味、さらにはユダヤ人ならではの知恵、暮らしぶりが語られる。

著 者:石角完爾 出版社:小学館 発行日:2009年11月

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