2026年9月号掲載

G2構想 勝つのは米国か中国か

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著者紹介

概要

米中二極体制を意味する「G2構想」。いま世界は、その覇権争いの行方を注視している。レアアースと世界最大のハイテク製造業を武器に台頭する中国。対する米国は、イラン攻撃を機に国際社会からの信頼を失いつつある。両者の力関係はすでに決まったのか ―― 。中国問題の専門家が、データを基に世界情勢の新秩序を見通す。

要約

一時停戦を可能にさせた習近平

 イランは、紀元前数百年頃に生まれたペルシャ帝国の文明を引き継ぐ国である。事実、人口の61%はペルシャ人で、公用語はペルシャ語だ。

 そのイランを2026年2月に攻撃したのがドナルド・トランプである。橋や発電所も全て破壊するとわめき、遂には「イラン人は動物だ! 殺しても戦争犯罪にはならない!」とまで言った。

 なぜトランプは、ここまで品性のない言葉を吐き続けるのか。もしかしたらイラン攻撃から抜け出したいと思っても、もう退路がなく、悪口雑言を吐く以外に道がないからではないか。攻撃を続ければ、石油価格は高騰し米国民の生活は苦しくなり、中間選挙で敗北する。しかしこのままでは「名誉ある撤退」ができない。誰か、その道を作ってくれ…。そう叫んでいるようにも見える。

 そこに目を付けたのが、習近平ではないか。彼は表立った動きは示さなかったが、イランに「ともかく停戦に応じろ」と忠告したのだ。

中国がイランに即時停戦を促した

 実際、習近平が背後で動いたという情報が、米メディアによってリークされている。

 例えば2026年4月8日、ニューヨーク・タイムズは「米国、イラン、イスラエルが停戦に合意」というタイトルで、次のように報じた。

 「中国による土壇場での介入(イランに対し柔軟な姿勢を示し緊張緩和を求めた)を受け、イランはパキスタンの2週間の停戦提案を受け入れた」

 また、同日のAP通信は「中国当局はイランに対し、米国との停戦の道を模索するよう促した」と、もっとストレートに報道している。

 しかし中国自身は、この最も肝心な動きをあえて報道していない。なぜか? それは、トランプとのディールを有利にするために、あたかも「これはトランプの功績だ」と言えるようなプレゼントをしているとしか思えない。

中国にはなぜイランを説得する力があるのか

 ではなぜ、中国はイランを説得する力を持っているのか? それは、イランの石油の100%に近い量を中国が購入しているからだ。

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