2026年8月号掲載
小さな会社を強くするマーケティング思考
- 著者
- 出版社
- 発行日2026年5月15日
- 定価2,200円
- ページ数269ページ
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著者紹介
概要
「大きいことはいいことだ」。そう言われたのも、今は昔。経済が成熟し、人々の好みも多様化した今日、顧客に愛され、業績を伸ばす「小さな会社」は少なくない。こうしたスモールビジネスは、いかに自社の強みを見いだし、消費者の求める価値を提供しているのか。マーケティングの専門家が、データと実例をもとに明らかにする。
要約
「小さい」を武器にする
「規模が小さいから、( )」
あなたは、この文章の空欄に「弱い」と「強い」、どちらを入れるだろうか。全国の中小企業経営者1000人に尋ねたところ、「規模が小さいから強い」と考える経営者ほど業績が良かった。
この結果から示唆されることは、小さな会社(スモールビジネス)が強くなるには、「小さいからこそ強い」という発想が必要だということだ。
スモールビジネスへの追い風
かつての高度成長期。人口は増え、所得も増加し、消費も右肩上がりだった。当時はスケールの大きさが「強さ」だった。
だが、時代は変わった。経済は成熟し、右肩上がりの成長は望めない。むしろ、時代の大きな流れは「小規模企業」に追い風となり得る。例えば人口減少、消費の多様化・個性化などだ。
これらは、規模よりも質を追求するスモールビジネスにとって有利な条件となるはずだ。大企業には採算の取れない小さな市場であっても、小さな会社にとって魅力的な市場が生まれている。
生産性追求の“逆”を行く
「中小企業の生産性は低い。だから規模の拡大を目指すべきだ」
こうした議論を耳にすることがある。だが、この考え方は「生産性=価値」という単純な前提に立った、一面的な見方かもしれない。
あなたの住む地域で、地元の人々に愛されている企業を思い浮かべてほしい。おそらく、それは大企業ではないだろう。そして、その企業が愛されている理由は、生産性の高さではないはずだ。
例えば、静岡県のあるハンバーグレストランでは、手間とコストをかけてハンバーグを炭火で丁寧に焼き上げる。テーブルには呼び出しボタンがなく、店員が客席の顧客にこまめに声掛けを行う。
まさに、生産性追求の“逆”を行っている。だからこそ地域の人々に愛され、今では県外からも客が訪れる。手間を惜しまない“非効率”こそが、強いブランドの源泉になっている。