2026年5月号掲載

“未”顧客戦略 消費者の無関心から逃げない記憶×習慣の科学

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著者紹介

概要

売上を伸ばすカギは、ブランドに興味関心の薄い「未顧客」が握っている! この未顧客とどう向き合い、獲得するかを指南した書だ。必要なのは、彼らの行動を理解した上で、ブランドを思い出しやすく、買いやすくすること。そして自社商品の利用を“習慣”として取り入れてもらうこと。そのためにとるべき施策を体系的に説く。

要約

習慣の仕組み

 商品やサービスを買ってもらい、使い続けてもらう秘訣として、「品質」や「満足度」の向上がよく語られる。その根底には「良いものを提供すれば選ばれる」という考え方があるのだろう。

 だが、本当にそうか? 例えば、スポーツ中の水分補給に適した飲料を新しく発売しても、常に同じドリンクを購入する消費者の行動を変えるのは難しい。その行動は、ほとんど意識せず自動的に行われる「習慣」として定着しているからだ。

 従って、商品やサービスを買ってもらい、使い続けてもらうには、それらが買われる(選ばれる)という現象を「お客様の日常において、商品やサービスの利用を新たな習慣として取り入れてもらう」という視点で読み解くことが重要となる。

習慣とはどのような現象か

 習慣とは、学術的には「過去に繰り返し経験された行動が、特定の文脈や手がかりによって自動的に引き起こされる行動傾向」と定義される。整理すると、次の3つの要素が習慣の本質を表す。

①反復性

 同じ行動が同じ文脈で繰り返される。

②自動性

 意識的な思考や意思決定をほとんど介さずに遂行される。

③文脈依存性

 行動を引き起こすきっかけ(時間帯、場所、感情状態など)に強く結びつく。

 要するに、あるきっかけ(③文脈依存性)を契機に、特に意識することなく(②自動性)、同じ行動を繰り返す(①反復性)ことが「習慣」だといえる。例えば、次のような行動だ。

  • ・食事の後はコーヒーをいれて飲む。
  • ・ソファーに横たわったらスマホを手に取ってニュースサイトを見る。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)

 CEPは生活者が消費者に変わる入り口のようなものだ。というのも、人は常に商品やサービスを探しているわけではない。普段の生活を送っている中で、何らかのニーズが発生した時に「日常モード」から「購入モード」に変わる。

 CEPはそのスイッチとなる文脈を表しており、それが手掛かりとなっていくつかのブランドが記憶から取り出され、最終的には1つが選ばれる。

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