2026年3月号掲載

離職ゼロ。「自営型社員」が会社を変える!

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著者紹介

概要

社員でありながら、半ば自営業のように働く。そんな「自営型社員」が、人手不足の切り札になる! 組織論研究の第一人者である著者は言う。社員が自らの裁量と工夫で仕事に取り組むことで、達成感や働く意欲が高まり、「離職ゼロ」を実現できる、と。こうした自営型社員を増やすための方法を、具体例を交えながら解説する。

要約

「ホワイト離職」は何を物語る?

 今、日本は深刻な雇用の危機に直面している。人手不足に加え、せっかく採用しても短期間で辞めてしまう若者が後を絶たないのだ。

 しかも最近では、過酷な「ブラック企業」ではなく、待遇も環境も整った「ホワイト企業」で理由不明の離職が目立ち、経営者を困惑させている。

 限られた人材をどう活かすか ―― 。これはもはや経営の技術論ではなく、生存戦略である。

若手社員の離職理由を読み解く

 なぜ、若手社員は離職を考えるのか。

 厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査」によれば、転職を検討する理由は多い順に次の通りである。

  • ①賃金の条件がよい会社にかわりたい
  • ②労働時間・休日・休暇の条件がよい会社にかわりたい
  • ③仕事が自分に合った会社にかわりたい
  • ④自分の技術・能力が活かせる会社にかわりたい

 この結果は、若手の転職が「お金」や「休み」といった待遇面だけでなく、仕事内容や能力発揮の可能性といった、より内面的で質的な条件にも影響されていることを表している。

 では現実の職場環境は、こうした要望を十分に満たしているだろうか。

 一般的に、大企業のような安定した職場では、周囲との調和を保ち波風を立てなければ、昇給や昇進は自然と得られる。ただし、前例踏襲の文化が根強く、新しい試みは慎重に扱われるため、成長実感を伴う仕事に携わる機会は限られる。

熱意と帰属意識は世界最低水準

 「ホワイト離職」の他にも、日本企業には厄介な問題がある。「静かな退職」という現象だ。仕事に対して熱意がなく、最低限の仕事しかせず、組織に留まる若者が増えているのである。

 実際、日本人のワーク・エンゲイジメント(仕事に対する熱意)は世界最低水準である。ある会社が2011~12年に行ったワーク・エンゲイジメントの調査によれば、日本は28カ国中最下位だ。

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