2019年8月号掲載

改訂 新版 人間性の心理学 モチベーションとパーソナリティ

Original Title :MOTIVATION AND PERSONALITY(Second Edition)

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著者紹介

概要

「欲求階層説」を説いた、米国の心理学者A・H・マズローの名著。著者いわく、人には「生理的欲求」に始まる5段階の「基本的欲求」があり、最上層に「自己実現の欲求」がある。欲求階層説は人間のモチベーションを説明する理論的なフレームとなり、「自己実現」は多くの経営書で取り上げられるなど、不朽の概念となった。

要約

「動機づけ理論」序説

 1942年、私は「動機理論」を初めて精神分析学会へ提出した。これは、フロイトやアドラー、ユング、フロムらの言う、いくつかの真理を体系化したものである。

 米国では、この動機理論が臨床面に取り入れられ、人間の内面生活を理解するのに役立ってきた。

 この研究から私は、次のような教訓を得た。

 「人間の欲求について語ることは、人生の本質について語ることである」

 それでは、まず、動機づけについての前提となるものを、いくつかあげてみよう。

手段と目的

 人間の日常生活における願望について調べてみると、1つの重要な特性があることがわかる。すなわち、その願望は、通常「それ自体が目的なのではなく、むしろ目的に至る手段」なのである。

 我々は自動車を手に入れたいために、お金が欲しいのである。それも結局は、近隣の者が車を持っており、彼らに劣等感を感じたくないために車が欲しいのであり、自尊心を保持し続け、人に愛され、尊敬されるためなのだ。

 深く掘り下げて分析すると必ず、背後にある目的や欲求に究極的に行きつくことができる。

多様性を持つ動機づけ

 意識的な願望や動機づけられた行動は、別の目的がそれを通して表現されているという特徴も持っている。