2026年3月号掲載
パレスチナ実験場 ――世界に輸出されるイスラエルの占領技術
Original Title :THE PALESTINE LABORATORY (2023年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2025年12月9日
- 定価3,960円
- ページ数352ページ
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著者紹介
概要
パレスチナは、最新兵器の“実験場”としてイスラエルに利用されている ―― 。殺人ドローン、顔認証・監視技術、情報分析アプリ。占領地パレスチナでの「実戦テスト」をクリアした兵器を欲しがる国は多く、イスラエルは今や世界有数の武器販売国だ。この恐るべき“占領ビジネス”の実態を、ユダヤ人ジャーナリストが明かす。
要約
世界有数の武器販売国イスラエル
20年以上、イスラエルとパレスチナ情勢を報道してきた私にとって、2023年10月7日の出来事とその後に起きていることは衝撃的である。
毎日のように、ガザで殺されたパレスチナ人の映像が飛び込んでくる。6万人を超えるパレスチナ人が、イスラエルによって殺され続けている。
そして、10月7日以来、イスラエルの兵器産業は大いに繁盛している。国際兵器見本市では、ガザで「実戦テスト済み」の武器や殺傷ドローン、監視技術を、イスラエル企業が売りこんでいる。
現在のガザが示していること。それは「イスラエルはパレスチナを兵器と監視技術の究極的なライブ実験場として利用している」ということだ。
イスラエルの非道徳的な防衛産業
不法な武器産業に関する世界的な専門家、アンドリュー・ファインスタインは、世界最大の航空宇宙産業展示会である2009年のパリ航空ショーに参加した時のことを話してくれた。
彼は、イスラエル最大の防衛企業エルビット・システムズが世界中のエリートバイヤーに向けて自社の装備を宣伝しているのを目にした。同社は、イスラエルのガザ地区およびヨルダン川西岸地区に対する戦闘で使用されている殺人ドローンに関する宣伝ビデオを上映していた。
その映像には占領地のパレスチナ人を偵察する様子が映っており、標的が暗殺される場面も収められていた。ファインスタインは言う。
「他の武器生産国には、あのような実際の映像を公開する勇気はないだろう…イスラエルのやり方や経済の方向性は、常識をはるかに超えている」
イスラエルの防衛産業は非道徳的だ。なぜなら、そうあることが産業が成長する手段だからである。北朝鮮、イラン、シリアなどの公定の敵国以外なら、誰にでも武器や技術を売るだろう。
そしてイスラエル軍当局は、自国の監視・殺害ツールが世界中に蔓延していることを気にかけていない。ロケット、防空システム、ミサイル、サイバー兵器、レーダーなどは、ユダヤ人国家が販売した装備品のほんの一部にすぎない。
その結果、イスラエルは現在、世界のトップ10位に入る武器販売国となっており、インド、アゼルバイジャン、トルコなど、販売相手の国々はそれぞれの地域で紛争を悪化させている。