2026年1月号掲載

ギーク思考 圧倒的な結果を出す型破りな思考法

Original Title :THE GEEK WAY:The Radical Mindset That Drives Extraordinary Results (2023年刊)

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著者紹介

概要

今日、加速化するビジネス界で欠かせないもの。それは「ギーク思考」だ。綿密な計画立案よりスピードを重視、社員1人1人の自律性を高め、異論を歓迎する…。こうした型破りな考え方、企業文化が成功をもたらすという著者が、「ギーク(変わり者)」たちの生態を解明。その考え方を、企業事例を挙げて説明する。

要約

ギーク思考へ至る4つの道

 「ギーク」という英単語は「バカ、あるいはクレージーな人」を意味するゲルマン語に由来する。1980年代の初め、この言葉はコンピュータに心底没頭する若者に使われ、その後、ギークの定義の幅は広がった。

 ギークが惹かれる対象はコンピュータ以外にも多岐にわたり、あるトピックに魅了されると、他人からどう見られようとひたむきに追求する。例えば、ビジネスに魅了されたギークは現代的な企業を経営するという難問にひたむきに取り組み、斬新な解決策を見いだし、それを実行に移す。

 彼らの共通点は、ビジネスや企業に対してギーク ―― 過度に型破りで独自路線だということだ。

ギークが形成する規範

 ギークが経営する企業かどうかを分ける重要な違いは、ざっくりと4つの規範にまとめられる。

 第1の規範はスピードである。彼らは、綿密な計画立案よりも、素早いイテレーション(反復的プロセス)によって結果を出す。

 第2の規範はオーナーシップだ。ギーク企業は1人1人の自律性が高く、権限委譲を含めてエンパワメントされており、責任の度合いが高い。

 第3の規範はサイエンスだ。彼らは実験やテストを行い、データを収集し、エビデンスの解釈について議論するというサイエンスに基づいている。

 第4の規範はオープンネスである。彼らは自分の提案について開かれた議論をして、社員の異議を役職に関係なく喜んで受け入れる。

4つの規範を実践するネットフリックス

 例えば、同社では率直さと不一致が歓迎され、オーナーシップという規範が文化として根づいてきた。2015年、CEOのリード・ヘイスティングスは、ネットフリックスのアプリにダウンロード機能は必要ないと考えていた。全社員向けの文書では、次のように述べている。

 「ダウンロード機能はユーザー・エクスペリエンスを煩雑にするが、それを利用するのは全ユースケースの1%だけだ」

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