2025年12月号掲載

知的戦闘力を高める 独学の技法

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著者紹介

概要

企業の組織開発・人材育成などに携わる著者は、経営学、組織論といった知識は全て独学で身につけたという。その経験から編み出した「独学の技術」を公開。独学の方針はジャンルではなくテーマで決める、ビジネス書は狭く深く読む、インプットした知識は抽象化する…。“知的戦闘力”を高めるノウハウが平易に示された1冊だ。

要約

独学の戦略

 「独学の技術」 ―― 。

 この技術を獲得するには、独学をシステムとして捉えることが重要になる。具体的には、①戦略、②インプット、③抽象化・構造化、④ストックの4つの要素から成るシステムと考えるのだ。

独学の「戦略」とは

 ①の「戦略」とは、「何について学ぶか」という大きな方向性を決めることである。

 私たちが独学のために使える時間はごくわずかである。仮に独学に使える時間が1日1時間だとすると、ビジネス書なら1週間で1冊程度、年間では50冊程度のインプットが精一杯となる。

 つまり、独学の戦略とは、突き詰めて言えば「50冊を、どのようなテーマやジャンルの学びに分配するか」を考えることに他ならない。

戦略の設定は「テーマが主、ジャンルが従」

 そうすると、「どんなジャンルを選ぶか」という論点が浮上する。ここで注意すべきは「独学の方針はジャンルではなく、テーマで決める」ということ。つまり「テーマが主で、ジャンルが従」だ。

 テーマとは、自分が追求したい「論点」のこと。例えば、私は「美意識はリーダーシップをどう向上させるか」などのテーマを持って独学に臨んでいる。従って「何をインプットするか」は、このテーマについて何らかのヒントや気づきが得られるかどうかが判断のポイントになる。

 なぜか。例えば、組織における権力構造について学びたいと考えれば、「経営」というジャンルの「組織論」を学ぶのが入り口としては真っ当だろう。だが、定番といわれる教科書を通り一遍学ぶだけで、その人らしいユニークな示唆や洞察が得られるわけではない。そうした本を通じて得られるのは、組織についての基礎知識でしかない。

 組織における権力構造については、様々なジャンルのインプットから示唆を得ることができる。例えば、塩野七生の『ローマ人の物語』、映画『ゴッドファーザー』などは、「権力はどのように発生し、維持され、あるいは崩壊するのか」という論点について様々な気づきを与えてくれる。

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