2025年12月号掲載

人が集まる企業は何が違うのか 人口減少時代に壊す「空気の仕組み」

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著者紹介

概要

労働力が豊富な時代、企業は労働者の職種や勤務時間などを管理・命令した。しかし、労働力不足の今日、昔ながらのやり方では、人材を確保できない。企業の仕組み、雇用のあり方を変える必要があるが、その動きは鈍い。日本企業がなぜ変わりにくいのか、組織行動論の研究者が原因を分析。人口減少時代に必要な取り組みを示す。

要約

三位一体の地位規範信仰

 日本企業の危機はここ数十年、常に叫ばれてきた。そしてその度に、企業の仕組みを変える試みがなされたが、現時点では大きく変わっていない。

 それは第二次大戦後の経済復興と国民生活の向上を目的とした生産性向上運動を経て、日本企業の仕組みが「三位一体の地位規範信仰」を基盤としてきたためである。

 三位一体の地位規範とは「無限定性、標準労働者、マッチョイズム」を意味する。

 これは、日本企業の空気、OS(オペレーティングシステム)のようなものだ。人々は無意識のまま、そのOSを前提として思考し、行動している。

無限定性とは何か

 まず、無限定性。これには「職種、勤務地、時間」の3種類がある。この3つが無限定と表現されるのは、それが会社命令に基づくものだからだ。会社命令によって個人が3つの選択を自由にできなくなるところが、無限定性の本質である。

・職種無限定

 「なんでもやらなければいけない」ということ。特定の職種にとどまりたくても、会社に命じられれば、あらゆる職種に転換され、その業務を担当しなければならない。

・勤務地無限定

 個人の意思と関係なく、会社命令によって全国に転勤しなければならない。

・時間無限定

 ただし、無限定性は、補助的な業務を担当する一般職には生じにくい。典型的には、基幹的な業務を担当する総合職の場合だけに生じる。

 つまり総合職と無限定性は一体不可分である。よって、総合職を「無限定総合職」と呼ぶ。

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