2025年6月号掲載
瞬間ストレスリセット ――科学的に「脳がラクになる」75の方法
Original Title :STRESS RESETS (2024年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2025年3月4日
- 定価1,870円
- ページ数373ページ
※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。
※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。
著者紹介
概要
ストレスを瞬く間にリセットするノウハウを、臨床心理学者が伝授する。感情に名前をつける、氷水に顔をつける、ため息をつく、等々。科学的根拠に基づく数々のテクニックは、誰でも即実践できるものばかりだ。長期的にストレスを寄せつけない体質になる方法にも触れており、ストレス耐性を高めたい人にとって役立つ1冊。
要約
つらい時のストレスリセット
あなたが抱えるストレスを、ほんの数分で抑えることができるとしたら ―― 。
私は臨床心理学者として、クライアントにそれを可能にする「ストレスリセット」というテクニックを教えてきた。いずれもすぐに実践でき、ストレスを緩和させることが実証されている。
こうしたテクニックを必要とする人は多い。人生に圧倒されそうになると、人間は本能的に、状況をより悪くするようなことをしてしまうからだ。
*
ストレスリセットは、次の3つに分けられる。
- ・思考に効くリセット(マインドリセット)
- ・身体の感覚に効くリセット(ボディリセット)
- ・行動を変えるリセット(行動リセット)
マインドリセットを使えば、問題を悪化させる思考から解放され、ボディリセットでストレスによる身体の反応を恐れなくなる。そして行動リセットでは目標を管理し、そこへ進むための行動にフォーカスする。その方法は、例えば ――
マインドリセット:しっかり地に足をつける
あれこれ考えてしまい、精神的に追いつめられていると感じた時は、「アンカリング」のテクニックが効果的だ。まずは文字通り地に足をつけ、次の問いを自分に投げかけてみる。
- ・今、何を考えている?
- ・身体に何を感じる?
- ・今、何をしている?
その後、次の質問も考えてみる。
- ・その反応は自分の役に立っている?
- ・長期的な目標に沿っている?
- ・将来の心配事、過去の痛みからきている?
これら6つの質問を付箋に書いてパソコンなどに貼り、ストレスのせいでネガティブな方向に流されそうになったらそれを見て踏み留まろう。立ち止まり、自分のマインド・身体・行動を棚卸しすることで、次のステップを選ぶ余裕ができる。
マインドリセット:心の状態を把握する
問題を解決するために理性を働かせる必要があるのに、感情が邪魔をして物事を冷静に見られないことがある。そんな時は、次の質問をして、自分の心の状態を把握しよう。
- ・今、自分の考えや行動を制御しているのは感情?
- →「感情的なマインド」
- ・事実やロジックに基づいている?
- →「合理的なマインド」
- ・感情・ロジック・直感が統合されている?
- →「賢明なマインド」
次に、自分の心の状態が現状に合っているかどうかを考える。睡眠不足や孤独感があれば「感情的なマインド」に陥りやすい。そこでいったん立ち止まり、自分が感情的なマインドになっていることを認識すれば、悪い習慣を身につけずにすむ。