2024年7月号掲載

自分で選んでいるつもり 行動科学に学ぶ驚異の心理バイアス

Original Title :THE ILLUSION OF CHOICE (2023年刊)

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著者紹介

概要

「行動科学」の知見をマーケティングに応用する方法を、実践例や先行研究を挙げて説く。ユーザーの足を引っ張る「摩擦」を取り除く。あるいは答えを自分の頭の中で作り出す「産出効果」を利用して情報を伝えるなど、紹介される手法はどれも使いやすく、役立つものばかり。売上の拡大や顧客の評価を得るためのヒントが満載だ。

要約

簡単にする

 企業ならどんな業種であれ、消費者を競合ブランドから乗り換えさせたり、高価格帯の商品を選ばせたりしなければならない。これらはいずれも消費者の行動を変えさせることを意味する。ビジネスとは、行動変化を促す活動なのだ。

 そこで、行動変化を効果的に促す方法を教える「行動科学」の出番となる。

摩擦の発見と低減に時間をかける

 まず、消費者に何かの行動をしてほしいなら、面倒や手間など、彼らの足を引っ張る要因である「摩擦」をできるだけ取り除かないといけない。例えば、入力フォームに候補となりそうな文章をあらかじめ表示しておく。手間なく利用できるようにすれば、驚くほど大きな反応が得られる。

 「うちの商品やサービスは、最大限にプロセスを簡素化している」と思っているなら、もう一度じっくり考えてみてほしい。かなりシンプルにしていたとしても、摩擦が隠れていることがある。

 例えば、レストランでシャンパンを頼む場合、手を挙げて店員を呼ぶだけで注文は通る。だが、もし友人と一緒なら、注文する間、会話を中断しなければならない。面倒と呼ぶにはささいなことだが、それだけで売上は下がるのだ。

 このことを証明してみせたのが、ロンドンにあるレストラン、ボブ・ボブ・リカードである。この店ではシャンパンの注文方法から摩擦を取り除いている。各テーブルに「シャンパンをオーダーする」というボタンを設置したのだ。小さな面倒をなくしたことで需要が解放され、今では英国で一番シャンパンの売れるレストランになった。

 徹底的にプロセスを簡素化する時は、このボタンのことを思い出してほしい。同様の独創的な方法で、残っている摩擦を取り除けるかもしれない。

選択肢の数はなるべく減らす

 他にも、行動を簡単にする方法として、提示する選択肢の数や量を減らす、というものがある。

 「決定麻痺」と呼ばれるこの現象は、コロンビア大学のシーナ・アイエンガーとスタンフォード大学のマーク・レッパーによる研究で発見された。

 2人は高級食料品店に試食ブースを設置し、通りかかる買い物客にジャムの試食を勧めた。そして1ドルのクーポンを渡し、気に入ったジャムを買ってくださいと呼びかけた。ある時は6種類のジャムを、別の時には24種類のジャムを並べた。

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