2024年2月号掲載
SWITCHCRAFT(スイッチクラフト) 切り替える力 すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略
Original Title :SWITCHCRAFT:Harnessing the Power of Mental Agility to Transform Your Life (2022年刊)
- 著者
- 出版社
- 発行日2023年11月20日
- 定価2,420円
- ページ数349ページ
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著者紹介
概要
私たちは目標に向け、“やり抜く”ことを美徳としがちだ。しかし、1つのやり方にこだわると、変化に対応できなくなる。複雑で、先が見えづらい今の世界で重要なのは「切り替える力(スイッチクラフト)」。状況に応じ、最適に対応する、このスキルの鍛え方を、認知心理学の世界的権威が説く。人生の困難に対処し、幸せに生きる上で示唆に富む1冊。
要約
レジリエンスと「切り替える力」
〈スイッチクラフト〉とは、複雑で予測不能な世界を生きる上で必要な「切り替える力」だ。自分のウェルビーイング(心も身体もすこやかで幸せを実感できる状態)を高めるには、変化に受け身で対応するのではなく、人生への取り組み方を臨機応変に変えていかなければならない。
レジリエンスとは何か
どんな困難に直面しようと、やすやすと乗り越えているように見える人がいる。「レジリエンス(立ち直る力)」が高い人は、どこが違うのか?
レジリエンスとは、「ストレスに影響を受けない」ことではない。人生が一変するような状況やストレスに直面した時、「適応するために行動を起こし、それを継続していく力」だ。
レジリエンスの要因は、自分の内面にある場合も、周囲の環境にある場合もある。上司からパワハラを受けているのなら、瞑想は効果的な戦略ではない。別の上司の下で働けないか検討する方がいいはずだ。対照的に、化学療法のストレスに対処するのなら、必要なのは瞑想かもしれない。
このように、レジリエンスのプロセスでは、状況によって異なる解決策が求められる。「切り替える力(スイッチクラフト)」を発揮できれば、困難な状況に対処できる確率が高まるだろう。
どれほどすばやく切り替えられるか
大切なのは、ストレスの対処法に幅をもたせることだ。米国の心理学者アブラハム・マズローは、「手元にある道具が金槌だけなら、すべての問題が釘に見えてくる」と言った。私たちは、よりよい方法を検討せずに、簡単に入手できる道具で問題を解決しようとするということだ。
同じことは、思考プロセスにも当てはまる。同じ問題を頭の中で延々と考えていれば、事態はたいてい悪化する。ある時点で外の世界に解決策を探すべく、思考を切り替えなければならない。
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「切り替える力」には4本の柱がある。4つを併せて活用すれば、どんな困難も乗り越えられる。
すばやく柔軟に対応する
「切り替える力」第1の柱は、「すばやく柔軟に対応する」である。