2023年11月号掲載

Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である

Original Title :MASTERING CIVILITY:A Manifesto for the Workplace (2016年刊)

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著者紹介

概要

かつてマキャベリは言った。「愛されるよりも恐れられる方がはるかに安全だ」。だが、これは現代の職場には当てはまらない。無礼な態度を取れば、多くの人が仕事の質を意図的に落とす。本書では、仕事で成果を出すための礼儀のあり方を、事例を交えて解説。併せて、職場をより礼節ある場へと変える方法についても紹介する。

要約

礼節は最強の武器になる

 社会人になった時、私は「夢にみていた仕事ができる」と喜んだ。世界的なスポーツ用品企業をサポートする仕事に就けたからだ。でもすぐに、職場がひどい環境であることに気づいた。

 最大の問題は、マネージャーだ。うぬぼれが強く、暴君のようにふるまっていた。そんな態度が周囲にも伝播して、部下たちの態度も悪かった。チームにはまとまりも、仕事への熱意もなかった。能力のある人たちは、次々に去って行った ―― 。

無礼な職場では、半分の人がわざと手を抜く

 そんな経験をしたこともあって、私は「職場の無礼」を研究することにした。すると、職場で誰かに無礼な態度を取られていると感じた人は、例えば、次のような行為に出ることがわかった。

  • ・48%の人が仕事にかける労力を意図的に減らす。
  • ・47%の人が仕事にかける時間を意図的に減らす。
  • ・38%の人が仕事の質を意図的に下げる。

 ほとんどの人は、人生の中でもかなりの時間を職場で過ごすことになる。だから、職場環境は良くするべきだし、努力によって良くできる。

礼節は自分も人も幸せにする

 例えば、あなたが多くの部下を抱えるマネージャーで、職場の環境を良くして業績を上げたいと思っているとしよう。その場合、大事なことは、部下たちに「自分の持っているものを職場に惜しみなく提供したい」と思わせることだ。それができれば、きっとあなたは目標を達成できるはずだ。

 そのためには、部下をどう扱うかが重要だ。

  • ・部下は自分を信用してくれているか?
  • ・自分は皆と良い人間関係を築けているか?
  • ・部下は自分のために、懸命に働いてくれるか?

 これらの問いの答えは全て、あなたが周囲の人に取る態度で決まる。他人に無礼な態度を取ると、自分が損をするとわかっている人は多い。でも、礼儀正しく接すると、自分にも良いことがあるとわかっている人は少ない。礼節ある態度で相手に接すれば、相手も同じように良い態度で接してくれることが多い。そんな好循環が生まれるのだ。

 

あなたの礼節をチェックしよう

 調査によれば、私たちは皆、自分自身のことはついひいき目で見てしまう。自分のふるまいに自覚的になるためには、他人の協力が必要だ。

 その際、すべきなのは、次のようなことである。

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