2023年4月号掲載

2040年の日本

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著者紹介

概要

10年後、20年後の日本の姿とは? 長年、日本の未来を考え続けてきた野口悠紀雄氏が、この国の将来を予測。経済、安全保障、医療・福祉など、様々な角度から、激変する社会の姿を描く。氏は言う。「未来は与えられるものではなく、主体的に作っていくもの」。そのためには、未来を正しく理解し、変化に備えねばならない。

要約

日本の経済成長はどうなるか

 企業が事業を進める際、未来に関する的確な見通しは不可欠である。では、10~20年後の世界で、日本の地位や産業構造はどうなっているのか?

 その正確な情報を得るのは不可能だ。しかし、おおよその姿を掴むことはできる。例えば ――

経済成長率に関する長期予測

 日本は将来に向けて、どの程度の経済成長を実現できるのか? 世界経済に関しての長期的な予測の中で、最も詳細なデータが公表されているのが、OECD(経済協力開発機構)による予測だ。

 それによれば、日本の年平均実質GDP成長率は2020~30年は0.987%。しかし、その後は低下し、年平均0.5%を下回ると予測されている。

 また、日本の内閣府の「財政収支試算」(2022年)がある。これは10年先までのマクロ経済を予測しており、2つのケースが想定されている。第1は、高めの成長率を見込む「成長実現ケース」、第2は、低めの成長率を見込む「ベースラインケース」だ。

 「成長実現ケース」では、実質成長率は2023年度を除き、2026年度までは2%を超える高い率だ。その後も、2%近い成長率が想定されている。

 「ベースラインケース」では、2026年度までは1%を超える率だ。その後も、1%程度の成長率が想定されている。

2%の実質成長は実現できない

 では、どちらが現実的か? 明らかに低成長シナリオだ(それすら実現できない可能性がある)。

  • ①慎重シナリオ

2015~23年度の実質成長率1.1~1.2%、2020年度の名目GDPが571.9兆円

  • ②成長戦略シナリオ

2015~23年度の実質成長率2.1~2.4%、2020年度の名目GDPが661.2兆円

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