2022年12月号掲載

揺れる大地を賢く生きる 京大地球科学教授の最終講義

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著者紹介

概要

巨大なエネルギーが放出された東日本大震災によって、日本列島は地殻の変動期を迎えた。「南海トラフ巨大地震」は2035年前後の発生が予測され、富士山は「噴火スタンバイ」状態にある。刻々と迫る危機に私たちはどう備えればよいのか。地球科学の専門家が、巨大地震や火山噴火について詳述し、災害に対する心構えを説く。

要約

日本は「大地変動の時代」に突入

 今、日本列島は揺れている。東日本大震災以降、日本は地殻の変動期に入ってしまった。変動期とは、地球の歴史から見て、地震、火山の噴火などが多い時期のことである。

東日本大震災の衝撃

 2011年3月11日に起こった東日本大震災以来、日本では地震が頻繁に発生するようになった。

 「3.11」以降に大きな被害の出た地震としては、熊本地震(16年4月)、北海道胆振地方の地震(18年9月)が記憶に新しい。

 マグニチュード9.0を記録した東日本大震災は、日本の観測史上で最大規模だったのみならず、世界的に見ても歴代4位に入る巨大な地震だった。

 マグニチュードの数値が1大きくなると、放出されるエネルギーは約32倍にもなる。関東大震災の時のマグニチュードは7.9だったから、「3.11」はその約50倍、マグニチュード7.3だった阪神・淡路大震災時の約1400倍ものエネルギーが放出されたことになる。このように巨大なエネルギーが放出された東日本大震災によって、日本列島は地殻変動の時代を迎えた。

2035年±5年、南海トラフ巨大地震の激甚さ

 地殻の変動期に入った日本列島で、とりわけ近い将来に起こると危険視されている激甚災害の筆頭は、2035年±5年の間に発生が予測される「南海トラフ巨大地震」だ。

 南海トラフ巨大地震は「海の地震」である。南海トラフとは、静岡沖の駿河湾から九州の日向灘沖までの広い範囲に存在する海底地形で、南からフィリピン海プレートが西日本に押し寄せてきて沈み込んでいるためにできた海底の窪みである。

 この窪みに沿って、海底に広がる広大な領域が、「地震の巣」ともいえる震源域である。震源域は東西にわたって700kmの広大な範囲に及び、3つの区間に分かれている。大地震の発生する場所にちなみ、「東海地震」「東南海地震」「南海地震」という名前で分類される。

 津波は高知県の沿岸で34m、静岡県で33m、和歌山県で20mの高さになるという。東日本大震災では、一番高い津波で16.7mだったから、その高さを大きく超える巨大津波がやって来るのだ。

周期性からの予測

 ところで、なぜこのような予測ができるのか。

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