2022年10月号掲載

「プランB」の教科書

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著者紹介

概要

当初定めたプランに代わる“次の一手”、それが「プランB」だ。コロナ禍のような予想外の事態に備え、事前に策定すべきものだが、そもそも作っていない、あるいはプランBがあっても実行できないという組織が少なくない。なぜか? 本書は、その原因を示すとともに、プランBを発動させる方法を解説した「教科書」である。

要約

「完璧な」プランなど存在しない

 組織を率いる際には、必ず「プラン」が作られる。そしてそれは、環境の変化とともに修正されなければならない。多少の修正で済み、目指すゴールが変わらないならよいが、そうとは限らない。「見通しの甘さ」「外部環境の変化」「能力不足」などがあれば、ゴールに到達できない。

 そこで重要になるのが「プランB」(次の一手)だ。状況の変化に「こんなことがあっていいはずがない」と呆然として現実逃避をしたり、「プランA」(当初採択された実行プラン)の破棄をするのに逡巡したりしていたら、あっという間に経営も組織も破綻する。

 だからこそ、プランBは「その時」になって慌てて探していては手遅れになる。プランBは、プランAを立てた時点で、予想外の状況をいくつも想定して策定されるべきものである。

「プランB」不在の国

 残念ながら、日本ではプランB不在のケースが少なくない。その一例が、新型コロナウイルス(以下、コロナ)対策である。

 2020年のダイヤモンド・プリンセス号の寄港以来、政府にとって、入国時の「水際対策」と飲食店などを閉める「行動制限」の徹底が、コロナ蔓延防止の至上命令だった。

 だが、厳しい水際対策をして、行動制限を行ってもコロナを食い止めることはできず、市中感染が広がった。この結果、2022年半ば時点で940万人の感染者と3万人の死者を出した。

 ということは、「何が失敗の原因か」はわからなくても、コロナ対策は根本的に「失敗した」ことは否定できない。ところが、ことここに至っても、水際対策と行動制限の大原則はいまだに揺るがない。これは一体どういうことか。

 この状況を経営学的に言えば、「プランA」の失敗であり、「プランB」への切り替えの失敗と言える。

 結局、この3年もの間、日本政府は感染拡大当初に定めたプランAをそのまま「堅持」している。そこにあるのは「プランAを改めるのは政府の失敗を認めることに等しい」という意識だけだ。

プランBの発動を阻むもの

 もっとも、政府は確実にプランBを準備していた。なぜなら、霞が関の官僚組織は、優秀な戦略スタッフを大勢抱えているからだ。

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