2022年2月号掲載

医療崩壊 真犯人は誰だ

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著者紹介

概要

今回のコロナ禍で、日本は医療崩壊の危機に直面した。療養先が見つからない「医療難民」が溢れ、入院待機中に自宅で亡くなるコロナ患者も続出した。世界屈指の医療提供体制を誇るこの国で、なぜ? 病院間の不連携、政府のガバナンス不足…。医療体制の問題点を分析し、危機を招いた“真犯人”(原因)を明らかにする。

要約

病床大国で起きた「医療崩壊」

 コロナ禍が始まる前、日本の医療は世界の中でも充実していると、国民の多くが信じていた。

 しかし、実際には、我が国は簡単に「医療崩壊の危機」に直面した。なぜか?

第1波から医療危機宣言

 我々がまず驚かされたのは、まだ新規感染者数がそれほど多くなかった第1波の最中、2020年4月1日の段階で、日本医師会が早くも医療崩壊の危機が迫っていると記者会見したことだ。

 4月1日時点の全国の新規感染者数は257人。この程度で、首都圏を中心に、早くも新型コロナ患者の受け入れ病床が逼迫する事態となった。

 結局、政府は4月7日に「緊急事態宣言」を発出し、小中高校の一斉休校や百貨店・商業施設などの休業、飲食店の時短営業、オフィス出勤者数の7割削減などを、国民や企業に要請した。

 人々も政府の要請によく従ったおかげで、いったんは感染の押さえ込みに成功したかに思えた。

感染爆発となった第3波

 しかし、それは大きな間違いだった。緊急事態宣言を解除した途端、早くも第2波の流行に突入したのだ。ただ、それほど大きな感染拡大につながらず、第1波ほどには医療逼迫も起きなかった。

 もっとも、GoToトラベルキャンペーンなどの政策が取られるようになると再び人流が増加し、2020年の秋口から感染爆発が起きた。第3波の到来で、死亡者数はまさに桁違いに増加する。

甘い見積もりだった病床確保計画

 このような事態を招いた直接的な理由の1つに、確保すべき病床数の見積もりの甘さや、病床確保の遅れがある。

 実は、第1波が収まった2020年6月中旬、厚生労働省は今後の感染拡大見込みを公表し、それに基づき、各都道府県に第2波に備えた「病床確保計画」(目標値は全国で2万7350床)を策定するよう指示を出した。その結果、2カ月間で約7000床も増えた。第2波であまり深刻な医療逼迫が起きなかった背景には、この病床増がある。

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