2020年12月号掲載

未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと

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著者紹介

概要

「人間が病気で簡単に死なない時代」は、すぐそこまで来ている ―― 。医学、社会学、経済学など様々な観点から未来の医療を研究する“医療未来学者”の著者はそう語る。がんや糖尿病が治癒可能になるのはいつ頃か? AI診察の実力は? 先端的な情報を交えつつ、医療と病気、健康にまつわる未来予想図を俯瞰的に描いた1冊。

要約

未来の病気年表

 2020年現在、医療は「完成期」に入りつつある。完成期とはすなわち、「人間が病気では簡単に死ななくなる時代」ということ。新薬や革新的な医療技術、医療機器の開発によって、そのような時代が到来しつつあるのだ。

2035年、ほとんどのがんが治癒可能に!

 例えば、がん。がんが厄介な理由は、この病気独特の「多様性」にあった。同じがんでも、病気の進行度合いや治療に対する反応は個々の患者によって全く違う。そのため、医師は症例ごとに毎度頭を悩ませなければならなかった。

 しかし1990年代以降、手術や放射線、抗がん剤など既存の治療法をうまく組み合わせることで治せるがんが一気に増えた。

 加えて、2005年頃に画期的な薬が開発された。人の遺伝子配列を解析する技術が飛躍的に高まった結果、遺伝子に直接アプローチする「分子標的薬」という治療薬が誕生したのだ。

 がんは遺伝子の異常によって引き起こされる遺伝子疾患である。分子標的薬は患者の遺伝子情報をもとに、がんを引き起こす特定の遺伝子の異常を攻撃し、がんを縮小もしくは死滅させるのだ。

 そしてもう1つ、画期的な薬が存在する。ノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑博士らが開発した「免疫チェックポイント阻害剤」である。

 がん細胞は、ある段階に達すると人間の免疫細胞にブレーキをかけてくる。免疫チェックポイント阻害剤は、このブレーキを阻害することで本来の免疫力を目覚めさせ、がんと戦わせる薬だ。

 現在、がん医療はこれら2つの薬をどう組み合わせるか、その最適解を見つけ出す段階に入っている。2030~2035年頃にはそれが見つかって、がん医療はさらに発展するはずだ。

2040年、遺伝子解析で神経難病克服

 2019年7月、東北大学の研究グループが、ALS患者の細胞からiPS細胞を作ることで病気を再現し、ALS発症の原因となる遺伝子を特定した。この発見が正しければ、この遺伝子を標的とした分子標的薬が開発されるのも時間の問題となる。

2040年、糖尿病もすっきり解決!

 糖尿病治療でも、新しい治療薬や技術が登場している。糖尿病には様々な「型」が存在し、1つの薬で解決できない。しかし、遺伝子の型に応じた治療を行えば、抜本的に治せるようになる。

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