2021年8月号掲載

ポジティブ心理学

コミュニケーション・心理学健康・メンタルヘルス・医療社会・政治

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著者紹介

概要

「不幸でない」ことと「幸福である」ことは違う。では、何が幸福をもたらすのか? それを探り、幸福な状態へと導くのが、“ポジティブ心理学”。20世紀末に生まれた、実践的な心の学問だ。この新しい学問の概要、個人・社会への活用法を、政治学者が解説。自分の人生を充実させ、より良い社会のあり方を考えるヒントを示す。

要約

ウェルビーイングの科学的解明

 従来の心理学は、主として精神疾患など心のネガティブな状態の「治療」に関心を向けてきた。

 一方、20世紀末に誕生したポジティブ心理学は、心の中の“ポジティブな要素”に注目し、何をすることが幸福につながるのかを明らかにしてきた。

 その研究成果を学べば、人生を充実させるための手がかりや、どのような職場が社員に充実感を抱かせられるのかを考えるヒントを得られる。

不幸の減少は幸福の実現を意味しない

 これまでの心理学は、うつ病の治療など、悪化した心の状態を元に戻すことを目指す。

 だが、人生を生きるに値するものにするためにはポジティブ(プラス)な心理を科学的に研究し、その心理に至る条件や方法、それが及ぼす様々な効果を探ることも重要な課題ではないか。

 例えば、お金にも住む場所にも不自由していなければネガティブ(マイナス)な要素は少ない。だが、仕事などにやりがいを感じられないと「幸福」を感じることはできない。つまり、不幸の減少が幸福の実現を意味するわけではないのだ。

 では、人が幸福だと感じるのは、どんな時が多いのか。そこを心理学的に掘り下げたのが、ポジティブ心理学の創始者の1人であるマーティン・セリグマンだった。

ポジティブ心理学のはじまり

 セリグマンが最初に着目したのは、楽観主義がうつ病に対する治療効果を持つことだった。

 その成果は画期的だった。楽観主義や悲観主義といった心のありようが抑うつなどの精神的疾患のほか、心血管疾患の有無など身体面の健康にまで影響していることが明らかになったのである。

 様々な調査・実験により、明るい気持ち、前向きな気持ちが健康に良い影響を及ぼすという因果関係が明らかになっていった。現在ではそうした明るい気持ちを総称する言葉として、「ポジティブ感情」という言葉が用いられる。

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