2021年2月号掲載

ゲノム編集とは何か

科学・技術・環境社会・政治
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著者紹介

概要

「ゲノム編集」とは、生物の設計図であるDNAを自由自在に書き換える技術のこと。中でも、汎用性に富み、扱いやすいのが「クリスパー」と呼ばれる技術だ。すでに肉量を大幅に増やした家畜などが開発され、近い将来、人間の治療にも適用されるという。この技術の詳細、そして、暮らしや社会に与える影響などが説かれる。

要約

ゲノム編集「クリスパー」の衝撃

 あなたは、これまでに「自分を変えたい」と思ったことはないだろうか? 例えば自分の顔、体型、性格、知能、運動能力…。これら全てに満足している人など、ほとんどいないだろう。

 信じられないかもしれないが、少なくとも技術的には、それらを自分の望み通りに変えることが可能になる時代が間近に迫っている。

 なぜなら、上記の特質の全てに遺伝子が関与しており、これを操作する遺伝子工学や生命科学の分野で今、驚異的な技術革新が起きているからだ。

 それは「ゲノム編集」と呼ばれる超先端技術だ。あたかもワープロで文章を編集するように、私たち生物の設計図であるDNA(遺伝情報)を自由自在に書き換えることが可能になってきたのだ。

 中でも「クリスパー」と呼ばれる最新鋭のゲノム編集技術は、極めて汎用性に富む技術である。

過去に類を見ない使いやすさと汎用性

 植物や動物の遺伝子を操作する「遺伝子組み換え」という技術は、すでに1970年代からあった。しかし、この技術には問題がいくつかあった。

 中でも重要なのは「組み換え精度」の問題だ。従来の遺伝子組み換え技術は「100万回に1回の成功率」といった、ほとんど偶然に頼ったような確率的手法だった。

 一方、クリスパーではDNA上の狙った遺伝子をピンポイントで改変できる。

 さらに、「技術の使いやすさ」も大きな長所である。従来の遺伝子組み換え技術は、ベテラン研究者にしか扱えないものだった。これに対しクリスパーは、分子生物学の基本的知識さえあれば、誰でも扱える簡単な技術とされる。

 さらに、クリスパーはマウスのような実験動物だけでなく、牛や豚のような家畜、魚、農作物、さらには人間まで、あらゆる種類の動物や植物に適用できる「汎用的な」遺伝子操作技術である。

まずは農畜産物の品種改良から

 では、クリスパーは、私たち人類にどんな衝撃をもたらすのか。

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