2021年2月号掲載

縮訳版 戦争論

Original Title :Vom Kriege (1832~34年刊)

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著者紹介

概要

「戦争は他の手段をもってする政治の継続」だ ―― 。こう喝破したクラウゼヴィッツの『戦争論』は、『孫子』と並び称される戦略論の名著である。ただ、その難解さゆえ、通読するのは骨が折れ、読まれざる名著の代表でもある。本書は、そんな難攻不落の書の“縮訳版”。重要な部分を抜き出し、わかりやすい日本語で紹介する。

要約

戦争とは何か

 「戦争」 ―― 。

 それは、「二者の決闘」の拡大版に他ならない。

 決闘する者はすべて、互いに物理的な力をふるい、完全に自分の意志を押しつけようとする。敵を打ち負かし、後の抵抗を不可能とすることが目的である。

 つまり、戦争とは、相手に自らの意志を強要するための、実力の行使である。

実力の最大限の行使

 博愛主義者は、とかくこう言う。

 ―― 戦争の本来の目的は、相手を武装解除させたり降伏させたりするだけでよく、必要以上の損傷を与える必要はない、と。

 このような主張は誤っている。戦争はそもそも危険なものであり、ただ善良な気持ちから発するこのような誤謬こそ最悪のものだ。

 一方が、何ものにも躊躇せず実力を行使するのに、他方が優柔不断で、それをなし得ないとすれば、行使する方が優勢を得るに違いない。従って、相手に実力で対抗せざるを得なくなり、結果として、双方の実力の行使は際限のないものとなる。

敵の無力化が目標である

 敵に自分たちの意志を強要するには、敵を不利な状態に追い込まねばならない。

 そして、敵側の不利な状態は一時的なものであってはならない。そうでないと敵は、好機が訪れるのを待ち、降参しないだろう。敵がどれだけ軍事行動を継続しても、もっと不利な状況に追い込まれるだけだ、という状態にしなければならない。

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