2019年5月号掲載

世界最高の人生哲学 老子

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著者紹介

概要

二千数百年前に著された、中国古典『老子』。汲々とした世の中にあって、超然として穏やかに生きる思想を説いたこの名著は、現代にも通ずる様々な知恵にあふれている。「上善は水の如し」「無為自然」などの章句を、中国古典の大家がわかりやすい現代語訳で紹介し、厳しい現実をたくましく、しなやかに生き抜くヒントを示す。

要約

『老子』に学ぶ人生の叡智

 中国古典『老子』は、今から二千数百年前、約100年の時間をかけながら、思想を同じくする複数の人々の手が加わってできたものといわれる。

 その内容は、したたかな処世の知恵を説いているのだが、単にそれだけでなく、哲学、政治、兵法など、論及している問題は多岐にわたる。

 特徴的なのは、万物の根源に「道」なる存在を認め、そこから論を展開していることである。

万物の根源には「道」がある

 これが「道」だと説明できるような道は、ほんものの道ではない。これが名だと呼べるような名は、ほんものの名ではない。「道」にはもともと名はないが、これこそ万物の根源であり、そこから天地が生じ、万物が生まれた。

 万物の実体を見極めるには、常に無欲でなければならない。欲望にとらわれていると、現象しか見ることができない。ただし、実体も現象もともに「道」という根源から生じており、名を異にしているにすぎない。

 「道」はあくまでも霊妙な存在であり、そこから森羅万象が発するのである。

(※太字は現代語訳。以下同)

 『老子』の思想の根底にあるのは、道なる存在である。その主張はすべて道を拠り所にしている。だから、これを押さえないことには、言わんとするところを理解することはできない。道は「みち」と読んでもいいし、「どう」と読んでもいい。

 ここに紹介したのは、『老子』81章の中の冒頭の一文であるが、この中で、「これが『道』だと説明できるような道は、ほんものの道ではない」と語っている。

 『老子』の言う道。それは、しいて言えば、

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