2018年9月号掲載

エンジェル投資家 リスクを大胆に取り巨額のリターンを得る人は何を見抜くのか

Original Title :Angel

エンジェル投資家 リスクを大胆に取り巨額のリターンを得る人は何を見抜くのか ネット書店で購入
閉じる

ネット書店へのリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。

※『TOPPOINT』にお申し込みいただき「月刊誌会員」にご登録いただくと、ご利用いただけます。

※最新号以前に掲載の要約をご覧いただくには、別途「月刊誌プラス会員」のお申し込みが必要です。

著者紹介

概要

失敗の確率は80~90%。しかし、成功すれば巨額の富が! 誰も投資しない、立ち上げ直後の非公開企業に投資してハイリターンを得る。そんなギャンブル性の高い「エンジェル投資」の成功法を、あのウーバーを早くから見いだして巨利を得た人物が伝授。自らの経験を交え、スタートアップ投資の基礎知識とノウハウを説く。

要約

「エンジェル投資」とは?

 テクノロジー業界では、「エンジェル投資」は一か八かのギャンブルなのか、それともきちんとした投資なのか、という議論が続いている。

 毎年、私は40件の投資 ―― 要するにギャンブルをしている。トータルで計算して、投資した以上のリターン(利益)を得るのが目的だ。

 私はエンジェル投資家になってから6年間に1000万ドル弱の投資をしてきた。これによって築いたポートフォリオ(運用資産)の総額は1億5000万ドルになる。つまり、投資に対するリターンは15倍ということになる。

 どうすればそんなことができるのか ―― 。

エンジェル投資の基本

 エンジェル投資というのは、立ち上げ最初期の非公開企業に投資し、投資した以上のリターンを得ることだ。一般的な投資に比べてはるかにリスクが高く、それだけ期待するリターンも大きい。

 ほとんどの場合、エンジェル投資の期間は3年以内だ。投資相手の会社は実績が少ないか、もしくはゼロだ。そしてプロダクト・マーケット・フィット(後述)のために資金を必要としている。

 彼らが考え出したビジネスが完全にクレイジーでない場合、投資家には事欠かない。つまり、エンジェル投資家の出る幕はない。実際、我々が「エンジェル投資家」と呼ばれるのは、スタートアップの創業者のビジネスモデルを信じる者が1人もおらず、絶体絶命となった時、天使よろしく窮地から救い出す役割から名付けられたのだ。

プロダクト・マーケット・フィットとエグジット

 「プロダクト・マーケット・フィット」とは、スタートアップの創業者が考え出したコンセプト(ウーバーならライドシェアリング、インスタグラムならフィルターと呼ばれる写真加工機能)に対して、それを使ってエンジョイするユーザーを見つけるプロセスを指す。

 創業者がプロダクトで金を生む方法を見つけ、大きなスケールに育てられた場合、他の企業に買収されるか、自ら上場するかのいずれかが起きる。

 この2つの場合をベンチャーキャピタリストは「エグジット(出口)」と呼ぶ。つまり、ベンチャーキャピタリストが投資したキャッシュはその会社の株式になっているわけだが、エグジットの瞬間に再びキャッシュに戻り、リターンが確定するからだ。

この本の要約を読んだ方は、
他にこんな本にも興味を持たれています。

敗者のゲーム〈原著第6版〉

チャールズ・エリス 日本経済新聞出版社

JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則

ニック・マジューリ ダイヤモンド社

ウォール街のランダム・ウォーカー(原著第12版) 株式投資の不滅の真理

バートン・マルキール 日本経済新聞出版社

アリエリー教授の「行動経済学」入門 -お金篇-

ダン・アリエリー 早川書房