2018年7月号掲載
FUTURE INTELLIGENCE これからの時代に求められる「クリエイティブ思考」が身につく10の習慣
Original Title :WIRED TO CREATE
- 著者
- 出版社
- 発行日2018年4月30日
- 定価1,760円
- ページ数268ページ
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著者紹介
概要
「クリエイティブな人」というと、常に前向きに挑戦する人というイメージがある。だが、創造性はそう単純なものではない。独創的な人の脳内では、能動性と消極性など、正と負の要素が入り交じっているという。そんな複雑なクリエイティブ思考を育むための習慣を、最新の知見や、独創的な天才たちの事例を紹介しつつ説く。
要約
クリエイティブ思考とは
創造性(クリエイティビティ)とは何か。
創造のプロセスに関する議論は、1926年、英国の社会心理学者グレアム・ウォラスが著書『The Art of Thought(思考の技術)』で、創造の「4段階モデル」を提言したことに始まる。
彼は傑出した発明家などの研究を基に「創造のプロセスは4つの段階に分けられる」として、「準備、孵化、ひらめき、検証」の4つを挙げた。
「準備」の段階では、多くの情報を収集する。
「孵化」の段階では、その知識を潜在意識に委ね、醸成させ、アインシュタインが言うところの「組み合わせの遊び」に投じる。
「ひらめき」の段階では、組み合わせが功を奏して、アイデアがひらめく。
「検証」の段階では、ひらめきを具体化する。
創造のプロセスが本当にこれほど秩序正しければ良いのだが、実際はそうはいかない。
その後の研究により、クリエイティブ思考の人々の場合、思考プロセスが素早く切り替わり、頭の中で、新たなアイデアの創出、拡張、熟成、批判的な反省、鑑賞者の視点に立っての熟考といったプロセスが、同時進行することがわかった。
クリエイティブ思考は多面的なシステム
今日、クリエイティブ思考とは単なる専門技術や知識ではなく、知性、感情、動機、倫理的特徴が一体化したものであることがわかっている。
クリエイティブ思考は1つの考え方ではなく、いくつかの要素から成る一種のシステムとみなされるようになり、多くの理論がクリエイティブ思考の多面的な性質を強調している。