2018年6月号掲載

遅刻してくれて、ありがとう(上)(下) 常識が通じない時代の生き方

Original Title :THANK YOU FOR BEING LATE

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著者紹介

概要

テクノロジーやグローバリゼーションのあまりに速い進展を前に、多くの人は戸惑っている ―― 。今、世界で何が起きているのか、加速する変化にいかに対処すればよいかを、ピュリツァー賞3度受賞のトーマス・フリードマンが語った。自らの世界的ベストセラー『フラット化する世界』後の時代、“加速の時代”の道案内だ。

要約

加速の時代

 現在、多くの人が現状に恐怖を覚え、拠り所を失っていると感じている。それは、私たちが今、歴史的な転換点を迎えているからだ。

 地球上の3つの大きな力 ―― テクノロジー、グローバリゼーション、気候変動 ―― が、今はすべて同時に加速している。その結果、私たちの社会、職場、地政学的要素が変容しつつある。

 多くの分野で変化の速度が一気に高まると、私たちは圧倒されてしまう。そういう時は、現実逃避せずに、立ち止まってじっくり考える必要がある。周囲の世界への理解を深めるのだ。

 私はよく、ワシントンDCにあるニューヨーク・タイムズ支局近くで、朝食をはさんで政府高官やアナリストたちの話を聞いたりする。だが、朝食の相手が遅刻することがある。相手は必ず、「地下鉄が遅れて…」などと謝る。

 ある時、相手の遅刻がちっとも気にならないことにふと気づいて、私は言った。

 「いや、謝らないでほしい。それどころか、遅刻してくれて、ありがとう」

 なぜなら、あなたが遅れてきたおかげで、自分の時間をつくることができたからだと、私は説明した。じっと考える時間が“見つかった”。そして最も重要なのは、その空き時間に、何日も考えあぐねていた思いつきをまとめられたことだった。

 私も多くの人と同じように、目まぐるしい変化に打ちのめされていた。ツイートしたり、写真を撮ったり、そうしたものを人と共有したりせずに、自分一人で考えにふける必要があったのだ。

2007年に一体、何が起きたのか

 iPhoneが登場した2007年はテクノロジーの当たり年で、数々のイノベーションが起こった。

 例えば、VMware(ヴイエムウェア)という会社のソフトウェアは、1台のコンピュータで複数OSとアプリケーションの同時使用を可能にした。それが、クラウド・コンピューティングの成長につながった。

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