2018年4月号掲載

プルーフ・オブ・ヘヴン 脳神経外科医が見た死後の世界

Original Title :PROOF OF HEAVEN:A Neurosurgeon's Journey into the Afterlife

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著者紹介

概要

著者は、名門ハーバード・メディカル・スクールで、脳神経外科の研究と治療に長年携わってきた医師。ある日突然、細菌性髄膜炎という稀有な病に冒された彼は、昏睡状態に陥り、7日間にわたり生死の境をさまよう。そうした中、立ち現れた驚くべき世界とは ―― 。自らの臨死体験を詳細に描き出し、米国で話題を呼んだ書の邦訳。

要約

私が見た死後の世界

 私は脳神経外科の医師である。ハーバード大学などで神経内分泌学の研究に携わった後、ハーバード・メディカル・スクールで脳神経外科の准教授として15年間勤務した。また、脳の病気を患う重症患者などの手術も数多く手がけてきた。要するに、私は科学に自分を捧げてきた人間なのだ。

 2008年11月、私は54歳という年齢で細菌性髄膜炎という稀有な病気にかかり、7日間にわたる昏睡状態に陥った。その間、脳の新皮質(人間としての活動を担う機能が備わる、大脳の表面部分)は活動を停止していた。

 あらゆる意識は、脳で生み出される。脳が機能を停止すれば、意識を持つことができない。にもかかわらず、私の意識は消滅しなかった。そして私は、昏睡状態に陥った時から“こちらの世界”に戻るまで、次のような体験をした ―― 。

痛み

 2008年11月10日。唐突に、目が覚めた。時計を見ると、午前4時半。私はしばらく横になったまま、ぼんやりとしていた。小さく寝返りを打つと、背骨に鋭い痛みが走った。痛みはますます激しくなってくる。隣にいた妻のホリーが背中をさすってくれ、それで少し楽になった気がした。

 夜が明けると、ホリーは子供に朝食を食べさせ、学校へ送り出した。彼女が私の様子を見に戻って来た時、私は激しい痙攣を起こしていた。私はリンチバーグ総合病院の救急室へ運び込まれたものの、昏睡状態に陥った。その7日間、私はただ身体が存在しているというだけの状態になった。

地下世界

 昏睡状態に陥っていた間、私は他の場所へ行っていた。そういう方が正しいだろう。

 そこは暗い場所だった。泥の中に沈んでいながら、泥を通してものが見えるような暗がりだった。すべてがどんよりとぼやけていて、閉じ込められている息苦しさを覚えた。

 意識もあった。だがそれは、記憶も自意識も持たない意識だった。何が起きているかはわかっているが、それを見ている自分がどこの誰なのかがわからない…夢の中のそんな状態に似ていた。

 どれほどの時間そこにいただろう。ある時点で、周りに何かがあることに気がついた。それは木の根のようにも見えた。赤黒い色を鈍く光らせ、はるか上方から垂れ下がり、下方の深淵へと伸びていた。

 そこに長くいるうちに、落ち着きが悪くなってきた。こんな地下世界は自分の居場所などではない、閉じ込められているのだと感じ始めた。

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