2017年8月号掲載

18時に帰る

マネジメント社会・政治
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著者紹介

概要

「世界一子どもが幸せな国」といわれる、オランダ。なぜ、そう評価されるのか、国民はどう働き、どう暮らしているのか、現地取材を基に報告する。表題の「18時に帰る」という習慣をはじめ、紹介されるしなやかな働き方・生き方の数々は、長年の改革のたまもの。「働き方改革」が叫ばれる日本に、多くの示唆を与えてくれる。

要約

「幸せ」のためにオランダが選んだ働き方

 今、日本では「働き方革命」が注目されている。正規雇用と非正規雇用の賃金格差をなくそうという動きがあるなど、政府でも企業でも、様々な形で働き方を抜本的に見直す試みが行われている。

 では、一体どのように働き方を変えればいいのか。企業は何をすればいいのか。

 この課題を解決するヒントを探るため、私たちは「世界一子どもが幸せな国」と称されるオランダを訪れ、政府、自治体、一般家庭など、様々な立場の人の声を聞いた。

 その結果わかったことの1つが、「親が幸せに暮らすから子どもも幸せ」ということ。それを実現するには、社会の柔軟性が必要ということも痛感させられた。そして、オランダの人たちの働き方・生き方から次のようなことを学んだ。

30年前は、今の日本と同じ課題を抱えていた

 かつてのオランダは、今の日本と同じような課題を抱えていた。一昔前までは、働き方や生き方に柔軟性がなかったのである。

 1980年代前半のオランダは、オランダ病(天然資源の発見によって一国の産業が弱体化する現象)によって、深刻な経済不況に苛まれた。その結果、失業率が10%を超えるといった事態が起き、将来への不安感が募っていった。

 そんな中、1982年に政府、労働者団体、企業の三者による「ワッセナー合意」(賃金上昇の抑制などを取り決めた協定)が採択される。これにより、国を挙げて“働き方を変えていこう”という潮流が社会の中に生まれた。

 その具体的な取り決めとは、フルタイムワーカーの労働時間の短縮、ならびに早期退職制度の導入などである。これらは、1人あたりの労働時間を短くし、多くの人が働けるようにすることや、若者に仕事を与えるといった「ワークシェアリング」の考えが下地となっている。

 このワッセナー合意の後も、オランダは、現在に至るまで幾度となく働き方を変える施策を採択し、運用してきた。その結果、世界でも類を見ないほど働きやすい国になったのである。

「自ら働き方を選ぶ」とはどういうことか

 今回の調査で感じた最大のポイントは、「しなやかさをみんなが持っているということ」である。

 しなやかさを持って働き、しなやかさを持って生きる。そして会社や地域といった社会全体でも、そうした働き方や生き方を「しなやかに受け入れている」ということを強く認識させられた。

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