2017年5月号掲載

2100年へのパラダイム・シフト 日本の代表的知性50人が、世界/日本の大変動を見通す

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概要

「2100年」に向け、これからの世界、人間のありようを多角的に探究したものである。今、世界と日本で起こりつつある、あるいは起こさねばならない「パラダイム・シフト」(思考の枠組みの転換)とは ―― 。中国の台頭、若者の“ローカル志向”等々、個々の事象の根底にある潮流を、日本を代表する識者たちが明らかにする。

要約

高齢化の地球的進行

 本書は、「2100年」を視野において、これからの世界や人間のありようを幅広い角度から探求するものである。

 未来を考える時、ある程度の正確さをもって予測できるものがある。それは「人口」だ。2100年に向けてほぼ確実に進行するのは、「地球規模での少子化・高齢化の進展」という現象である。

 例えばアジアを見ると、東アジアの多くの国々の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む平均的な子どもの数)は、日本の1.46(2015年)に対し、韓国1.24(11年)、台湾1.07(同)、香港1.20(同)と、いずれも日本より低い。

 また、中国も、人口は2025年頃に13.9億人でピークに達し、以降は減少に移る。そして世界全体では人口は増加が緩やかになり、2011年に70億人に達した世界人口は、2100年には112億人程度でほぼ安定することが予想されている。

 高齢化については、2030年までに世界で増加する高齢者(60歳以上)のうち、29%が中国の高齢者で、同じく29%が中国を除くアジアの高齢者。残りは「他の発展途上国」が28%で、日本を含む先進諸国(OECD加盟国)は14%だ。

 つまり「高齢化」というと先進国に特有の現象のように考えられがちだが、21世紀は「高齢化の地球的進行」が進む時代であり、それは自ずと人口の成熟・減少を意味し、また「拡大・成長」という志向に対する態度においても、社会のありように質的な変化をもたらすだろう。

 こうした点に関して、人口学者のルッツは、「20世紀が人口増加の世紀 ―― 世界人口は16億から61億にまで増加した ―― だったとすれば、21世紀は世界人口の増加の終焉と人口高齢化の世紀となるだろう」と述べている。

 

注目される「動く中国人」の役割

園田茂人(東京大学教授)

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