2016年12月号掲載

第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来

Original Title :The Fourth Industrial Revolution

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著者紹介

概要

世界中のエリートが、国際的な課題を話し合うダボス会議。2016年、重大テーマとして選ばれたのは、最近話題の「第四次産業革命」だ。IoTやAI(人工知能)、ナノテクノロジー等々のブレイクスルーが融合する、新しい技術革命がもたらす未来とは。人類の生活を根本から変えるメガトレンドの全体像を、ダボス会議創設者が語る。

要約

「第四次産業革命」とは何か

 私たちは今、生活や仕事の仕方、さらには他者との関わり方を根本から変える大変革の入口にいる。これは人類がこれまで経験したことのない、規模、範囲、複雑さの大変革となり、まさに「第四次産業革命」と呼ぶにふさわしい。

 歴史上、革命は何度か起きている。蒸気機関の発明と鉄道建設によりもたらされた第一次産業革命(1760~1840年代)は、機械による生産の到来を告げるものだった。電気と流れ作業の登場によってもたらされた第二次産業革命(19世紀後半~20世紀初頭)は、大量生産を可能にした。

 1960年代に始まった第三次産業革命は、コンピューターとインターネットによって推進されたことから、一般的にデジタル革命と呼ばれる。

 そして、デジタル革命の上に成り立つのが、今世紀から始まった第四次産業革命だ。この革命では幅広いイノベーションが、これまでの産業革命をはるかに凌駕する速度と範囲で普及している。

 では、第四次産業革命とは具体的にどのようなものなのか。その技術的な特徴を、「物理的、デジタル、生物学的」の3つのメガトレンドに分類して示そう。これら3つは深く関連し合っている。

①物理的なメガトレンド

 物理的な技術のメガトレンドは主に4つある。

・自動運転車

 運転手のいない乗用車が話題になっているが、他にもトラック、ドローン、飛行機、船など、すでに多くの自動運転化が実現している。数年内に、低コストの商用ドローンや潜水艇などが様々な用途に使われるようになるだろう。

・3Dプリンタ

 3Dプリンタは、今は主に自動車、航空宇宙、医療での用途に限られている。だが、サイズやコストなど、現在の制約が徐々に克服されるにつれ、回路基板のような集積電子部品のほか、人間の細胞や臓器も造れるようになるだろう。

・先進ロボット工学

・新素材

 数年前には想像できなかったような特性を持つ新素材が市場に登場している。自己修復力や自己洗浄力のあるスマート素材や、形状記憶合金、圧力を電気に変えるセラミックや水晶などだ。

 例えば、鋼鉄の約200倍の強度を持ち、人間の髪の毛の100万分の1の細さで、熱伝導性と導電性に優れたグラフェン。この先進ナノ素材の価格競争力が向上すれば、製造業とインフラ産業に大きな混乱をもたらすおそれがある。

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