2020年1月号掲載

GLOBOTICS グローバル化+ロボット化がもたらす大激変

Original Title :THE GLOBOTICS UPHEAVAL

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著者紹介

概要

近年、自動化、ロボット化といったデジタル革命の下で、グローバル競争が進んでいる。こうした経済の潮流 ―― 「グロボティクス」が、社会にもたらす変化を考察した書だ。先進国のホワイトカラーの雇用を脅かし、中間層を崩壊させるグロボティクスの衝撃と、破壊的な変動の先にある未来を、国際経済学の第一人者が論じる。

要約

「グロボティクス」とは何か

 「グローバル化」は従来、モノづくりに携わる人たちの問題だった。こうした人は、中国からコンテナ船で運ばれてくる安価な製品との競争を余儀なくされたからだ。

 一方、サービスはコンテナ船で運ぶことができないので、サービス職や専門職のほとんどはグローバル化による影響を免れてきた。しかし、デジタル技術がこの現実を急速に変えつつある。

遠隔移民

 機械翻訳の進化、ビデオ会議システムなど通信技術の向上により、インターネットに接続可能で、スキルさえあれば、誰でも欧米のオフィスとつながり、仕事ができるようになった。

 中国では年間800万人もの大卒者が生まれているが、その多くは国内では仕事がないか、安い給与しかもらえない。だが、機械翻訳ソフトを使って「そこそこの英語」が話せれば、遠隔地にいながら豊かな国の仕事ができる。こうした「テレマイグランツ(遠隔移民)」が、欧米をはじめとする高賃金国のミドルクラスの雇用を奪いつつある。

 そしてサービス・セクターの労働者は、同時に、人工知能(AI)との競争にも直面している。

ホワイトカラー・ロボット

 Amelia(アメリア)は、スウェーデンの銀行SEBのオンラインと電話の相談窓口や、ロンドンやチューリッヒのUBS銀行で働いている。しかも、300ページのマニュアルを30秒で暗記し、20カ国語を話し、数千本の通話を同時に処理できる。

 Ameliaは、いわゆる「ホワイトカラー・ロボット」である。

 この状況を直視すれば、問題の本質が見えてくる。それは思考するコンピューターとの賃金ゼロの競争だ。Amelia型の人工知能ロボットは、労働者に取って代わることを目的に設計されている。

 

遠隔移民とグロボティクス転換

 グロボティクスは、サービス分野で働く人々に影響を与えている。就業者の大半をサービス分野で働く人々が占めている現在、これは大問題だ。

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ジェレミー・リフキン NHK出版