2016年9月号掲載

アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ 才能の見つけ方 天才の育て方

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著者紹介

概要

米国やカナダでは、10代の子どもが大人顔負けの研究や発見をするのは珍しくない。例えば、マヤ文明の古代都市を発見したり、膵臓がんの新検査法を開発したり。「gifted=ギフテッド」(神に与えられた才能を持つ人)。こう呼ばれる彼らの共通点や、米国の学校が取り組む天才児の育て方などを、具体例を交え、紹介する。

要約

なぜ米国に天才が多いのか

 先日、カナダのケベックに住む15歳の少年が、マヤ文明の古代都市を自力で発見するという大ニュースが飛び込んできた。

 少年はマヤの古代都市が「星座の位置に基づいている」という仮説を立て、グーグルマップなどを使って検証を繰り返すうちに新たな都市の存在に気づき、カナダ宇宙庁から衛星写真を提供してもらい、新たなマヤ古代都市を発見したという。

 この発見には専門家から異論も出て、真偽のほどは現在、闇の中だが、わずか15歳の少年の好奇心と行動力に驚いた方も多いのではないか。

 米国やカナダでは、10代の子どもが大人顔負けの研究や発見をすることは珍しくない。彼らは「gifted=ギフテッド」(神に与えられた才能を持つ人)と呼ばれ、特別な教育を受けていることも少なくない。日本でも2014年、カナダ政府よりギフテッドの認定を受けた14歳の大川翔君が、カナダの大学に全額奨学金で入学したことが大きな話題となった。

15歳で膵臟がんの検知方法を開発した少年

 世界に、ギフテッドは数多くいる。

 例えば、15歳の時に、発見が難しい膵臓がんを90%の精度で検知できる新検査法を開発した、米国人のジャック・アンドレイカ君。

 叔父を膵臓がんで亡くした彼は、腫瘍マーカーによる血液学的検知法に疑問を持ち、自分でよりよい検知方法を開発することを決意する。

 その後、カーボンナノチューブと紙片を使い、90%の精度で膵臓がん、卵巣がん、肺がんなどを検知できる方法の開発に成功する。しかも、彼の方法なら、従来の検査法よりも170倍早く、2万6000分の1ほどの費用(約3セント)で済む。

 そこから8000種類ものたんぱく質を1つ1つ調べ、最も早い段階の膵臓がん患者の中に存在するたんぱく質を追求していく。そして、4000種類ほどをテストしたところで、ついに「メソテリン」というたんぱく質の存在に気づく。

 そこに至るステップには、尋常ではないこだわりを感じる。ギフテッドの多くに見られる特徴の1つに、「インテンスである」ということが挙げられる。インテンスとは、強烈、極端、激しい、などと訳されるが、ジャック君の8000種類ものたんぱく質への熱意は、まさしくインテンス以外の何ものでもない。

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