2016年7月号掲載

あれか、これか 「本当の値打ち」を見抜くファイナンス理論入門

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著者紹介

概要

「こっちの方が、価格が安いからお得だ」「あっちの方が高いから、価値も高いに違いない」。買い物や取引の際、人は価格で損得を判断しがちだ。しかし、何かを選ぶ時、大切なのは「本当の値打ち」を見抜くことだと指摘。お金のまやかしを見破り、正しい選択をするためのファイナンス理論の考え方を、具体例を交え易しく説く。

要約

「ねだん」と「ねうち」はちがう

 人生は、選択の連続である。今の会社に留まるか転職するか、マイホームを持つか賃貸暮らしを続けるか…。

 選択とは「価値判断」だ。今日のあなたは、昨日までのあなたが下した価値判断の結果に他ならない。だとすれば、悔いのない人生を送るには、「値打ち」を正しく見抜くことが大切だ。

 本書では、本当の価値を見抜き、正しく選択するためのファイナンス理論の考え方を紹介したい。

値段はいつもウソをつく

 人は買い物や取引をする時、「価格」を見比べて損得を判断しようとする。しかし、それでは正しい判断はできない。

 例えば、昨日1000円だったC社の株式が今日700円になった。今日、この株は買うべきか?

 株価だけを見れば、買い時だ。だが、700円より下がる可能性もある。では、待てばいいのか? どの時点で買うにしても、価格と価格を見比べている限り、真っ当な意思決定はできない。

 では、正しく意思決定をするには、どんな情報が必要か? それは、C社株の「本当の価値」だ。例えば「この株には本当は150円の価値しかない」とわかっていれば、1000円から700円に下落しても手を出そうとは思わない。

 人はどうしても、価格という目に見えるものに惑わされる。しかし、本当の意思決定は「価格と価値」の両方を見渡す視点からしか生まれない。

「場所」で価格が変わるのはなぜ?

 では、ここで質問。銀座で飲むコーヒーはなぜ高いのか?

 賢明な人は「銀座は地価が高いから」という回答を思いつくはずだ。コーヒー1杯の値段は、豆の原価、人件費、家賃といったコストの総和で決まるというロジックだ。こうした価値の考え方を「コスト・アプローチ(原価法)」と呼ぶ。

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