2020年12月号掲載

経済危機はいつまで続くか コロナ・ショックに揺れる世界と日本

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著者紹介

概要

コロナ・ショックは人と物の動きを止め、リーマン・ショック以上の危機を世界にもたらした。今後、世界、日本の経済はどうなるのか? コロナは抑えたものの、過剰債務を抱える中国は、企業倒産が増えかねない。感染被害の対策を巡り足並みが乱れたEUは、崩壊のリスクが高まる…。事例やデータを基に、先を見通す。

要約

アメリカファーストのゆくえ

 経済は、基本的にヒトとモノとカネで動く。

 2008年のリーマン・ショックの時は、カネの部分がダメージを受けた。ただし、カネの流れが止まった場合は、その流れをよくすればいい。アメリカは経済政策を行い、何とか景気を回復させた。

 だが、新型コロナウイルスは、より厄介だ。感染症によるパンデミックになったため、カネではなく、ヒトとモノが動かなくなったからだ。

 今後、日本と世界の経済は、どのような方向に進んでいくのだろうか ―― 。

コロナ・ショックに揺れるアメリカ

 今回のコロナ・ショックによって、アメリカ経済はどのような影響を受けているのか。

 一言でいうと、「戦争級の衝撃」である。

 経済は、主に金融経済と実物経済とに分けて考えるが、金融経済については、100年に一度の危機といわれたリーマン級の影響が出た。

 例えば、VIX(Volatility Index)指数。別名、恐怖指数といい、市場関係者がどれだけ市場に恐怖を抱いているかを示す。リーマン・ショック後はこの指数は60を少し超えたところだったが、今回はそれを超えている。

金融引き締めは当面できない

 こうした局面では、コロナ・ショックの克服を最優先して、金融緩和も財政出動もできることはやり、とりあえず経済を立て直す。それが重要だ。

 となると、金融引き締めをする環境になることは当面ない。そもそも、構造的に金融引き締めの必要性が下がってきている。物価や賃金が上がりにくい構造になってきているのだ。

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