2016年3月号掲載

スーパーパワー Gゼロ時代のアメリカの選択

Original Title :SUPERPOWER

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著者紹介

概要

世界は「Gゼロ」の時代へ ―― 。今日、主要先進国が指導力を失い、アメリカも世界の安定に積極的に関わろうとしなくなりつつある。そんな状況を表す、「Gゼロ」という言葉の生みの親、イアン・ブレマー氏が、今後、アメリカが世界で演じるべき役割を考察。同国の抱える国内問題を踏まえつつ、歩むべき道を提言する。

要約

3つの議論

 今日、アメリカが世界を主導する力は、以前ほど絶大ではなくなった。とは言え、アメリカが唯一の「スーパーパワー(超大国)」であることに変わりはない。

 今後、アメリカは世界を舞台にどんな役割を演じるべきなのか。将来、果たすべき役割については、次の3つの議論がある。

①「独立するアメリカ」

 「独立するアメリカ」とは、他所の問題を解決しなければならないという立場からの独立を宣言し、国内に専念することによってアメリカのポテンシャルを開放しよう、というもの。

 すなわち、様々な問題の解決は当事国に任せ、アメリカは自国の再建に注力すべき、という考え方である。

②「マネーボール・アメリカ」

 これは、「独立するアメリカ」という考え方はナンセンスであって、世界にはやるべきことがあり、それをアメリカがすることは自らの国益にかなっているという議論だ。

 政府は意欲的な外交に徹するべきだとする。ただし、政治的・経済的価値観を他国に押しつけるのではなく、アメリカをもっと安全で豊かな国にすることが目的だ。

③「必要不可欠なアメリカ」

 「必要不可欠なアメリカ」は、上記2つの未来像が偉大な国アメリカにふさわしくなく、世界のすべてがつながり合う現代においては、他が自由を勝ち取るのを助けない限り恒久的な平和と繁栄を確立するのは不可能であって、その目標から目をそらしてはいけないということを強調する。

 世界には主導者が必要で、それはアメリカしかいない。民主主義、言論の自由、個人の権利が広く尊重されるようになれば、アメリカ人にとっても他国の人々にとってもいいことだ、とする。

 以下、紹介する3つの議論のうち、どれが最も説得力があるかは、あなたに判断してほしい。

 

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