2015年1月号掲載

中国の軍事戦略

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著者紹介

概要

中国の軍事戦略の本質に迫った書だ。「見えない部分を理解する努力こそ、事象の本質をあぶり出し、適切な対処を可能にする根源である」。こう語る軍事・安全保障アナリストが、防御する手段のない新型兵器の開発、暗躍するサイバー部隊、急速に力をつける海軍などの実態を掘り下げてリポート。TV等のニュースではつかみづらい、中国の真の目的を読み解く。

要約

中国の軍備と活動

 ハイパーソニック・グライド・ビークル(極超音速飛翔体) ―― 。これは兵器の名前である。

 この兵器を使用されると、現在のところ、防御する手段がない。さらに、世界中あらゆる地域に対して、極短時間で精密攻撃ができる。

 まさに、国際社会の秩序を変えるかもしれない戦略兵器となり得る兵器なのだ。そして、中国がこの新型戦略兵器の発射試験に成功した。

 米国のニュース・メディアは米国防総省の情報として、「2014年1月9日、米軍が中国上空を極めて高速で飛行する物体を探知した」と報じた。この物体が、マッハ5(音速の5倍)以上の速度で飛行する極超音速飛翔体の実験機である。

 極超音速飛翔体は極超音速で飛翔するため、撃墜が難しい。だが、極超音速で飛翔するのは、撃墜されないことだけが目的ではない。

 撃墜されないことだけが目的なら、現有の巡航ミサイルでも十分に有効だ。莫大なコストをかけて極超音速飛翔体を開発するのでは割に合わない。

 極超音速で飛行することには別の意義がある。極短時間のうちに目標を破壊することである。極めて戦略的な意義である。

 ここで問題になるのは、極超音速飛翔体を開発する中国の意図がどこにあるのかということだ。中国は戦略兵器として核兵器を持つ。それでも新たな戦略兵器を保有する必要はどこにあるのか?

サイバー攻撃

 中国は何をしたいのか? 日本にとって脅威になるのか? この根本的な疑問の答えを得るために、まずはサイバー空間で中国が行っていることを追うことにしよう。

 2013年9月17日、米国セキュリティーソフト企業であるシマンテック社が発表した報告書は、中国を拠点とするハッカー集団の存在を指摘した。このハッカー集団は、グーグル社や米軍需産業のロッキード・マーチン社にも侵入したという。

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