2014年2月号掲載

世界を標的化するイスラム過激派 「アラブの春」で増幅した脅威

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著者紹介

概要

「アラブの春」以降、イスラム過激派の活動は、イスラム教内部の宗派対立も絡んで激化している。2013年1月には、アルジェリアのガス・プラントが武装集団に襲われ、日本人10人が犠牲となった。本書は、強大化するイスラム過激派の現状を論じるとともに、欧米とイスラム世界の相克の中で、日本にしかできない、軍事行動ではない“建設的な役割”を示す。

要約

高まる「イスラム過激派」の脅威

 2013年1月、北アフリカのアルジェリアのガス・プラントで日本企業関係者がイスラム武装集団の人質になり、日本人10人が犠牲となった。

 この事件は日本でも大きく報じられ、国際テロの脅威が改めて意識されるとともに、イスラム世界への警戒意識が一層高まったように思える。

 イスラム主義の運動は、「イスラム原理主義」「イスラム政治運動」「イスラム復興運動」などと形容される。

 一言で述べれば、イスラムという宗教の中心命題である「正義」「平等」に立ち返って、イスラム世界にある貧富の格差、政治腐敗などの矛盾を改善していこうという運動だ。

 その中でも、暴力によってその理想を達成しようとするのが、「イスラム過激派」「イスラム武装集団」の活動やイデオロギーである。

 その武装集団の活動の現状はどうか。

 対テロ戦争、アラブ諸国の民主化要求運動である「アラブの春」を経て、その活動はますます活発化している ―― 。

アルジェリア人質事件の衝撃

 1990年代にアルジェリアで創設されたイスラム過激派に、「AQIM(イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ)」がある。

 このAQIMへの対策として、2011年11月にイギリスのウィリアム・ヘイグ外相は、警察や治安の専門家をサハラ地域の国々に送ることをEU諸国に呼びかけた。

 イギリスは、アルジェリアの治安当局からAQIMに関する情報を得ているが、その対象国は、セネガル、モーリタニア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、チャド、スーダン、エチオピアなどほぼ全てのアフリカ北部諸国が含まれる。

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