2014年1月号掲載

奇跡の軽自動車 ―― ホンダはなぜナンバーワンになれたのか 「N BOX」ヒットの法則

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著者紹介

概要

リーマン・ショック後の不況などで窮地に陥ったものの、かつてないクールな軽自動車「Nシリーズ」で復活を遂げたホンダ。この大成功をもたらした、まさに命がけの改革を追う。“タテワリ”組織から“ヨコワリ”組織へ、女性をターゲットとした開発や販売体制の構築…。同社の挑戦の数々は、日本企業が抱える課題を解決する上で、貴重なヒントとなるだろう。

要約

“奇跡”はこうしてつくられた

 「リーマン・ショックは、ホンダにとっては“助け舟”でした。大きな方向転換をすることができたんです」

 ホンダの伊東孝紳社長は、このように述懐する。

 2000年以降、北米市場の好況の波に乗り、ホンダは売上を伸ばした。ところが、リーマン・ショックで、ホンダの屋台骨は一気に崩れた。

 ホンダは崖っぷちに立って覚醒し、反撃に打って出る。起爆剤となったのは、「N BOX」をはじめとする、軽自動車「Nシリーズ」である。

 12年度の軽の車種別販売ランキングで、N BOXはナンバーワンとなる。

 ホンダはNシリーズを通して、開発から営業に至るまで、事業活動を全面的に見直した。結果、軽事業のみならず、ホンダの再生を果たした ―― 。

「女性軸」の発見

 ホンダは1967年、「N360」で軽乗用車市場に参入した。直後には軽の販売シェアを29%まで伸ばし、トップメーカーとなるが、徐々にシェアが低下、近年は業界4位の地位に甘んじていた。

 そんな軽の復活を託されたのは、エンジン開発に携わってきたエンジニアの浅木泰昭だった。

 彼は全国の販売店を歩き回り、消費者の声を徹底的に聞いた。販売店に来た夫婦に話を聞くと、「私が毎日乗る車だから、私が選ぶわ」と、夫の意見は妻に完全に否定されている。つまり、軽の決裁権は明らかに女性が握っている。

 ホンダはこの女性のパワーを正しく認識していない。これがニーズとのズレの正体だ。それが女性目線での開発を妨げていると、彼は結論付けた。

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