2013年12月号掲載

日中海戦はあるか 拡大する中国の海洋進出と、日本の対応

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概要

尖閣諸島の領有権を巡って、日中両国の対立が続く。中国政府の公船、海軍の艦艇が尖閣諸島近海での活動を活発化させているが、果たして軍事衝突につながる恐れはないのか。自衛隊の元海将たちが、中国の現状、海洋進出の戦略、考えられる最悪のシナリオ、日本がとるべき対応などを説く。監修は、自衛隊のトップである統合幕僚会議議長を務めた夏川和也氏。

要約

中国の現状と海洋進出のシナリオ

 尖閣諸島に関するニュースが頻繁に報道されている。中国から聞こえてくる報道は「尖閣は中国のものだ。尖閣を取り返せ」という内容ばかりだ。

 このままで、尖閣は大丈夫なのか ―― 。

 尖閣諸島は魚釣島、北小島・南小島などの島々からなる。日本は現地調査により、どの国も支配していない無人島であることを確認し、1895年、閣議決定により日本の領土に編入した。

 1896年、民間人に貸与され、日本人が鰹節工場などを営んでいたが、1940年に工場は閉鎖、無人島となり、現在までこの状態が続いている。

 一方、中国は1968年の国連アジア極東経済委員会(ECAFE)による「尖閣諸島周辺海域に石油埋蔵の可能性がある」という報告が発表されるまで、尖閣諸島の領有権を主張していなかった。

 それを裏付ける証拠として、1920年、当時の中華民国駐長崎総領事から、遭難した中国人を救助した日本人に対して出された感謝状には、遭難した福建省の漁民が漂着した場所が「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」と明記されている。

 また、1953年1月8日付の人民日報の記事には、「琉球諸島は、…尖閣諸島、先島諸島…の7組の島嶼からなる」という記述がある。

 だが、ECAFEの報告後の1971年以降、中国は尖閣諸島の領有権を主張し始めた。

中国の現状

 まず、中国の現状から見ていこう。

 1976年毛沢東の没後、中国がとった改革開放路線は中国を世界第2位の経済大国に成長させた。

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