2013年5月号掲載

鈴木敏文「逆転発想」の言葉95 なぜセブン-イレブンだけが強いのか

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著者紹介

概要

巨大流通グループ、セブン&アイグループの総帥、鈴木敏文氏。氏は、「逆転発想」とでも呼ぶべき鋭い視点で、既成概念にとらわれない数々の施策を実施し、同グループを躍進させてきた。本書では、のべ約500時間に及ぶ氏への取材を重ねてきたジャーナリストが、氏の「思考の型」がうかがえる名言の数々を披露しつつ、鈴木流経営学の真髄を解き明かしていく。

要約

鈴木敏文「逆転の発想」を語る

 コンビニエンスストアの各チェーンの1店舗当たりの平均日販を比べると、トップのセブン‐イレブンは68.2万円で、2位以下とは12万円以上の開きがある。なぜ、これほどの差が出るのか。

 組織の実力は突きつめると、「人の力」によって左右される。その人の力の差はどこから生まれるのかといえば、頭だ。頭の働きを鍛えれば、的確に行動できるようになってよい業績に結びつく。

 実際、セブン‐イレブンの社員や店舗スタッフは、「頭がよく鍛えられている」という印象を持つ。その“頭のトレーナー役”が、鈴木敏文氏だ。

 そんな鈴木氏の突出した仕事脳の中身を、氏の言葉からうかがうと ――

みんなが賛成することはたいてい失敗し、反対することはたいてい成功する。

 人間の脳は、限られたエネルギーを効率的に使おうとする。人が生物として生きるには、その仕組みが適しているのだろう。だが、ビジネスマンとして成功するには、これは逆効果に作用する。

 キーになるのは「認知コスト」という概念だ。これは脳が思考に費やすエネルギーのことで、脳はこの認知コストをできるだけ下げようとする。その典型が、周りの意見に対する反応だ。

 「信じる」と「疑う」とでは、信じる方が認知コストが軽減される。そのため、脳はできるだけ周りの意見に従おうと働く。こうした脳本来の習性が、ビジネスにおいては時には逆効果になることを警告したのが、鈴木氏の上記の言葉だ。

 皆が賛成することに従えば、認知コストはかからない。しかし、誰もが同じことを始めるため、過当競争に陥る。日本の家電メーカーの液晶テレビ事業はその典型だ。

「顧客のために」ではなく、「顧客の立場で」考えろ。

 「顧客のニーズが変化する限り、飽和はあり得ない」。鈴木氏がこの自説を実証すべく、2009年から行ったのが、品揃えの大幅な見直しだった。

 少量パックの惣菜類などを充実させ、少人数世帯の増加や働く女性の増加という社会の変化に対応。既存店売上高は増加に転じた。

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